2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16520106
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
田中 仁 Tottori University, 地域学部, 教授 (80217067)
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Keywords | 香川景樹 / 桂園派 / 香川景樹「歌日記」 / 本山仏光寺 / 仏光寺『御日記』 / 真宗仏光寺派 / 柏原家・柏屋 / 常楽寺恵岳 |
Research Abstract |
本年度の調査・研究は、次の五つを中心として実施した。 (1)仏光寺『御日記』既刊分のうち最新刊の第13巻から、固有名その他の重要な語抄出し、人名・寺名、書名、地名等の種別に分けてデータベース化する。 (2)仏光寺『御日記』から、香川景樹と桂園派関係記事を抄出して、景樹の「歌日記」(『桂園遺稿』上巻・下巻に収録)ほかの景樹関係資料の記事・記述と比較する。 (3)本山佛光寺所蔵和歌関係資料を調査する。 (4)真宗仏光寺派寺院所蔵香川景樹・桂園派関係資料を調査する。 (5)洛東遺芳館所蔵近世文書を調査する。 (1)は予定どおり終了した。 (2)は、文政六年から嘉永四年まで実施した。景樹が、二十三代随応上人・二十四代随念上人の二代にわたり、「勧章」(門主が真宗の教義を平易に書き表して門徒に与える文書)の作成にもかかわっていたこと等々、景樹研究の新たな観点を提供してくれる可能性のある事実が判明した。 (3)は、昨年度新たに発見された仏光寺関係者詠景樹点の点取り詠草、児山紀成、菅沼斐雄の著述などにより、景樹と真宗仏光寺派の関係がより具体的に浮かび上がってきた。また、随応上人の弟応専連枝が、江戸桂園派と密接な関係にあったことが判明した。 (4)は東近江の仏光寺派寺院蓮光寺、正厳寺所蔵資料を調査した。蓮光寺住職理山の『理山日記』、『由緒書』には百個所をこえる景樹への言及があり、景樹研究の重要資料であることが判明した。 (5)は、柏原家の慶弔記録、柏原家・柏屋の出納帳の一種である『雑用帳』『金銀払帳』等によって、柏原正寿尼の景樹入門は真宗仏光寺派僧の常楽寺恵岳の仲立ちによるところであることが判明し、桂園派形成に真宗仏光寺派が関与していたことを具体的に明らかにすることができた。
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Research Products
(4 results)