2007 Fiscal Year Annual Research Report
近代日本における科学言説の浸透と変容をめぐる文化研究
Project/Area Number |
16520111
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Research Institution | Kogakuin University |
Principal Investigator |
吉田 司雄 Kogakuin University, 工学部, 教授 (50296779)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 真理 工学院大学, 工学部, 教授 (70293082)
一柳 廣孝 横浜国立大学, 教育人間科学部, 教授 (40247739)
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Keywords | 科学言説 / 近代日本 / メディア / 進化 / 遺伝 / 細胞 / 身体 / 無意識 |
Research Abstract |
最終年次にあたる本年度は、これまでの研究成果を集約化しつつ、新たな課題を検討する方途を模索することに努めた。今後取り組まなければならない分野として浮上してきたのは、大正から昭和前期にかけて広く読まれた大衆向け科学雑誌-「科学知識」「科学画報」「科学ペン」「科学思潮」などの調査である。次年度以降、研究会を新たに組織し多角的な検討を加えるべく、資料の収集と整理を進めた。これまで専門家以外の科学理解に関する研究はほとんどなされていなかったが、これら大衆向け科学雑誌の研究はその端緒を開くのみならず、文学者との関連も多く見出し得るからである。まず各誌の目録を作成し、順次公開していく予定である。 また、第4回の公開研究会を日本科学史学会生物学史分科会と共催の形で2007年12月9日に工学院大学新宿校舎にて開催した。「UMA(未確認動物)のいる科学史」という特集タイトルのもと、下坂英氏(東洋英和女学院大学)に「未発見動物の歴史-大海蛇殺しとしてのリチャード・オーウェン」、伊藤龍平氏(南台科技大学)に「未確認動物の民俗学-忘れられたツチノコたち-」という題で発表をお願いし、コメンテーターの齊藤純氏(天理大学)、菊地原洋平氏(九州工業大学非常勤)の発言を受ける形で活発な議論を戦わせた。今回も文学、科学史、民俗学のみならず様々な領域から50名を超える参加者があり、盛会であった。なお、本シンポジウムの内容は日本科学史学会生物学史分科会の機関誌「生物学史研究」に掲載される予定である。
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Research Products
(3 results)