2005 Fiscal Year Annual Research Report
汎諸本論構築のための基礎的研究-時代・ジャンル・享受を交差して-
Project/Area Number |
16520112
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Research Institution | Kokugakuin University |
Principal Investigator |
松尾 葦江 国学院大学, 文学部, 教授 (70157254)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 静子 都留文科大学, 文学部, 教授 (90141233)
片岡 利博 神戸松蔭女子学院大学, 文学部, 教授 (60140414)
針本 正行 國學院大學, 文学部, 教授 (30141279)
小林 健二 大谷女子大学, 文学部, 教授 (70141992)
佐々木 孝浩 慶應義塾大学, 附属研究所斯道文庫, 助教授 (20225874)
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Keywords | 汎諸本論 / 伝本研究 / 文献学 / 書誌学 / 国文学 |
Research Abstract |
本研究は、時代やジャンルにより細分化して行われてきた日本古典文学作品の諸本研究を、統合的に見渡して本文流動の法則性を探り、それをもとに、改めて時代やジャンル毎の特殊性を総合的に考察しようとするものである。研究計画の2年目に当たる平成17年度は、7月2日に第4回研究会を開催し、研究協力者の太田敦子による「「こめく」宣旨のむすめ-明石姫君の乳母の属性をめぐって-」の他、手薄な分野をゲストとして招いて発表を行なった。沼尻利通氏の「『河海抄』所引枕草子本文の再検討」、田中大士氏の「広瀬本万葉集考-細井本との比較を中心に-」である。 夏期休暇を中心に、研究分担者各々の目的に応じた調査出張を行い、その成果を纏めて、10月9日に第5回研究会を開催し、針本正行「物語絵巻の本文」・加藤静子「『大鏡』諸本の本文的性格-巻五・六の検討から-」・櫻井陽子「一方系平家物語の本文流動を考える-九行本平家物語(駒沢大学蔵)の紹介-」・佐々木孝浩「享保七年御会始和歌の本文をめぐって・続考」の発表を行った。 12月24日には第6回研究会を開催し、研究協力者の荒木優也の「武田祐吉博士旧蔵新古今和歌集大夫阿闍梨本の性格-本文・排列の問題を中心に-」の他、小林健二「「鉢かづき」諸本論の展望-1類本から2類本への展開-」・片岡利博「狭衣物語巻三の本文異同について」・松尾葦江「屋代本平家物語の「文芸性」をめぐって」の発表を行った。 各研究会では、質疑の時間などを通じて毎回活発な討議が行われ、分担者個々が専門とするジャンルにおける問題が、他ジャンルの伝本のあり方とどう繋がっていくのかを、互いに確認することができた。その結果、初年度以上に多くの論文を発表するに至っている。
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Research Products
(13 results)