2004 Fiscal Year Annual Research Report
茶の湯と座の文芸の本質の研究-『茶譜』を軸とする知的体系の継承と人的ネットワーク
Project/Area Number |
16520114
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Research Institution | Daito Bunka University |
Principal Investigator |
藏中 しのぶ 大東文化大学, 外国語学部, 教授 (40215041)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福田 俊昭 大東文化大学, 東洋研究所, 教授 (10054842)
山口 謡司 大東文化大学, 文学部, 助教授 (00286915)
谷 晃 野村美術館, 学芸部長
相田 満 国文学研究資料館, 研究情報部, 助手 (00249921)
野口 恵子 日本大学, 法学部, 専任講師 (50318333)
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Keywords | 日本文学 / 茶 / 座 / 茶譜 / 説話 / 比較 / 日本文化 / 類書 |
Research Abstract |
(1)『茶譜』伝本の収集と本文校訂・注釈作業 本研究が軸として位置づけている近世中期、寛文年間頃の成立とみられる茶道の百科事典『茶譜』の伝本4本すべての紙焼き写真を収集し、本文校訂をすすめつつある。このプロジェクトの発足以前から続けてきた注釈作業は、研究協議のなかでも続行しておこない、今年度で巻一を終了した。 (2)「座の文芸」の本質の解明 「茶の湯の座」と「文芸における座」の本質を解明するための概念構築に関する研究協議をおこない、「茶の湯の座」の歴史的展開を、寄合性から結座性への展開として概念化した。一方、尾形仂『座の文芸』を継承発展するために、茶の湯にかかわる「文芸の座」の本質を解明するに当たって、(1)縦の座標軸としての知的体系の継承関係、(2)横の座標軸としての人的ネットワークというふたつの座標軸をたて、これに即して『茶譜』の記事を分析することにした。これらをリンクすることが、次年度の課題となることを確認し、これまでの作業から、最終年度の論文作成にむけての具体的なテーマの設定と作業手順を確認した。 (1)知的体系の継承 千利休の朝顔の茶の湯の逸話をはじめとする千宗易・古田織部・小堀遠州・金森宗和ら江戸期の茶の湯の宗匠にかかわる説話・逸話群をほかの茶書から収集し、整理する作業をすすめている。 (2)人的ネットワーク 『茶譜』のなかから人名を抽出し、「『茶譜』人名リスト」を作成し、茶人だけではなく、茶書にあらわれる人名の関連づけの作業をすすめている。 (3)京都茶室見学 3月17〜18日、1泊2日で京都の茶室見学をおこない、京都の非公開の茶室(南禅寺金地院、大徳寺孤蓬庵・忘筌庵、大徳寺真珠庵玉軒、野村碧雲荘、藪内燕庵)を見学した。これによって、『茶譜』に登場する流派の茶室をすべて実地見学することができ、茶室建築にかかわる『茶譜』の記述の理解を深めることができた。
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Research Products
(30 results)