2005 Fiscal Year Annual Research Report
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16520122
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Research Institution | Niimi College |
Principal Investigator |
原田 信之 新見公立短期大学, 教養科, 助教授 (60290508)
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Keywords | 豪族伝説 / 南西諸島 / 琉球王朝 / オヤケアカハチ / 西塘 / 祖納堂 / 慶来慶田城用緒 / サンアイ・イソバ |
Research Abstract |
平成17年度は、八重山諸島・沖縄本島等で豪族伝説に関する実地調査・文献調査を行った。調査は、第1回平成17年8月16-27日沖縄県八重山諸島の石垣島・竹富島・与那国島・西表島、第2回平成17年9月9-13日沖縄本島の名護市、第3回平成18年3月5日立命館大学図書館(京都市)で関連文献調査、第4回平成18年3月22-29日沖縄本島の沖縄市の計4回行った(総計26日間)。八重山諸島では、島を統治したとされる与那国島の女酋サンアイ・イソバ、仲宗根豊見親玄雅に討たれたとされる与那国島の鬼虎、非凡な器量が首里王府に認められて中央で活躍し帰郷後は八重山地方を統治したとされる竹富島の西塘、一時竹富島に滞在していたという伝承のあるオヤケアカハチ、与那国島を制圧したという伝承のある西表島祖納の豪族祖納堂、石垣島の平久保加那按司を討ったとされる西表島祖納の豪族慶来慶田城用緒の調査を実施した。八重山諸島の豪族伝説の調査から、琉球王朝が宮古諸島の豪族たちを利用しながら琉球文化圏南端の八重山諸島を服属させてゆく過程の一端がうかがえた。また、島ごとに独自の豪族伝説があり、それらに関する伝承がいまだに語られていることが確認された。しかし、伝承は確実に衰微してきており、早急に調査を進める必要性を改めて強く感じさせられた。沖縄本島では、沖縄市知花城跡周辺で越来城主鬼大城大城賢勇の補足調査を行った。さらに、各地図書館で関連資料を調査研究した。本研究課題に関する論文は複数発表・投稿中。なお、物品費50千円は調査データ保存用ディスク・文具類、旅費350千円は第1回と第3回調査で使用した(第2・4回調査は私費)。
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Research Products
(3 results)