2004 Fiscal Year Annual Research Report
フランスにおける初期活版印刷出版書籍商の出版戦略に関する研究
Project/Area Number |
16520159
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
平手 友彦 広島大学, 総合科学部, 助教授 (10314709)
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Keywords | フランス / 出版書籍商 / ルネサンス / 民衆本 / パラテクスト / 書誌 / データベース / フランス文学 |
Research Abstract |
本研究は、フランスにおける初期活版印刷で出版された現存活字本の形態的変化を分析することで、出版書籍商の出版戦略を読み取り、当時の出版と読者の関係の一端を解明することにある。本年度まず行ったことは本研究の対象とする活字本の選定である。予算の都合上、対象をパリの出版書籍商に限定し、以下の書籍商が出版した1500年前後から1540年までの版本を選定した。アントワーヌ・ヴェラール、ジャン・トレプレル、ミッシェル・ルノワール、ドニ・ジャノ、ジャン・ジャノ、ジャン・ボンフォン。本科学研究費で購入した書誌を活用して、彼らが出版した活字本のうち特に民衆物語を中心に調査した。それぞれ現存する版本の所在等の書誌情報を出版年代順に整理した。これらの版本のうち、写真版として現在刊行されている版本及び、研究対象となる版本のパラテクストについて詳細な情報を得ることができる文献を購入した。未刊本の版本については、その多くがパリの国立図書館に現存するため、3月1日から8日までパリの同図書館の貴重本室で約20点(研究対象の3分の1程度)の刊本について特にパラテクスト(表紙、目次、インデックスの導入、挿画や装飾模様の変化、活字等)を詳細に検討した。当初は接写カメラ等を用いてデジタル化する予定であったが、これは同図書館では許可されなかったため、マイクロフィルム化の依頼を行う予定である(なお、接写カメラは刊本済みの版本、及び古書店に記載の版本のデジタル化に使用する)。現在までの出版年代順書誌情報及び調査結果をパーソナルコンピュータを使用してデータベース化し、次年度に残された研究対象の版本の絞り込みとその調査準備を行った。
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