2005 Fiscal Year Annual Research Report
フランスにおける初期活版印刷出版書籍商の出版戦略に関する研究
Project/Area Number |
16520159
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Research Institution | HIROSHIMA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
平手 友彦 広島大学, 総合科学部, 助教授 (10314709)
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Keywords | フランス / 出版書籍商 / ルネサンス / 民衆本 / パラテクスト / 書誌 / データベース / フランス文学 |
Research Abstract |
本研究は、フランスにおける初期活版印刷で出版された現存活字本の形態的変化を分析することで、出版書籍商の出版戦略を読み取り、当時の出版と読者の関係の一端を解明することにある。昨年度に引き続き以下の書籍商が1500年前後から1540年まで出版した民衆物語の活字本を、今年度の科学研究費で購入した書誌を活用して補足選定した。アントワーヌ・ヴェラール、ジャン・トレプレル、ミッシェル・ルノワール、ドニ・ジャノ、ジャン・ジャノ、ジャン・ボンフォン。また、それぞれ現存する版本の所在等の書誌情報も出版年代順に整理することを完了した。昨年度はパリ国立図書館及び写真版等の文献で調査・作成したフランス初期活版印刷本を一部データベース化したが、更に本年度は調査対象となる未収集の版本をパリ国立図書館貴重本室で10月30日から11月8日まで調査を行い、対象となる刊本について特にパラテクスト(表紙、目次、インデックスの導入、挿画や装飾模様の変化、活字等)を詳細に検討した。また他方で、接写カメラを使用して刊本済みの版本、及び古書店に記載の版本をデジタル・データベース化した。パリ国立図書館の調査結果を踏まえた上で、データベース化した版本の表紙、目次、インデックスの有無、挿絵、装飾模様、活字、テクストの配置等を出版書籍商ごとに分析し、それらの特徴と変化を考察した。その中で中世末期の西ヨーロッパで人気を博した「グリセルダ物語」に着目し、その考察結果の一部を12月3日に開催された2005年度日本フランス語フランス文学会中国・四国支部大会(岡山)で「出版書籍商アントワーヌ・ヴェラールの「グリセルダ物語」」と題して口頭発表し、また「「グリセルダ物語」再考-Anthoine Verardの出版戦略をめぐって-」(高岡幸一教授退職記念論文集刊行会編、『シュンポシオン 高岡幸一教授退職記念論文集』、朝日出版社、2006年所収)と題する論文にまとめた。
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Research Products
(1 results)