2005 Fiscal Year Annual Research Report
初期「新フランス評論」誌とフランス語圏ベルギー文学
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16520162
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| Research Institution | Kyushu University |
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Principal Investigator |
吉井 亮雄 九州大学, 大学院・人文科学研究院, 教授 (40200927)
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| Keywords | 新フランス評論 / アンドレ・ジッド / ベルギー文学 |
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| Research Abstract |
第2年度の研究作業は基本的には初年度のそれの継続・発展といえる。すなわち,作業の中核をなしたのは「新フランス評論」誌創刊前後の仏白文学交流にかんする基礎資料の文献学的考察と,それにもとづく具体的な実態調査である。
本研究課題が対象とする時期(一応の区切りとして1904年からの10年間)に主としてベルギーのフランス語圏で刊行され,かつ「新フランス評論」グループと何らかの関わりがあった文芸誌については,すでに初年度に基礎的な資料体を所属機関に構築・設置したが,この印刷資料体の考察・分析にもとづき今年度は,未刊行の文献や資料(特にジッドとベルギー人文学者たちとが交わした書簡)の閲覧・筆写を中心に,フランスでの現地調査を精力的におこなった(計3回の短期フランス滞在)。
主要な訪問機関は,パリ大学附属ジャック・ドゥーセ文庫およびパリ国立図書館の2カ所であったが,初年度に続き,ジッドの遺産相続人カトリーヌ・ジッド女史の個人蔵をはじめ,数件の私的コレクションの調査も同時に行うことができた。記載テクストの精確な筆写は時間をとる作業であるが,すでに親交を結んでいるフランス人研究者・図書館司書に解読・筆写の協力を仰ぎ,効率よく作業を進めることができた(協力は個人的な友誼にもとづくものであり,すべて無償である)。
以上の作業により,最終年度において研究成果を整理・統合するための実質的な基盤が整ったと考える。
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