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2007 Fiscal Year Annual Research Report

魂の救済者セネカのローマ的悲劇の射程

Research Project

Project/Area Number 16520182
Research InstitutionMeiji University

Principal Investigator

角田 幸彦  Meiji University, 農学部, 教授 (70142544)

Keywordsローマ初期帝政 / ネロ / 自然学 / 倫理学 / 道徳書簡 / 対話性 / 政治 / 死
Research Abstract

キケローと並ぶローマの大哲学者セネカは,キケロー同様体系的哲学者として自然学,論理学,倫理学の哲学三分野を深くかつ広く学び作品化していった。そしてセネカはこれまたキケローと同じく政治家であった。第5代ローマ元首ネロの少年時代は家庭教師として,ネロが元首に就任してからは政治顧問として,ローマ国政をできるだけ暴政・独裁政から護るべく努力した。しかしネロははじめの5年間だけそれなりの穏和な施政を行ったが,次第に自己抑制のない狂政にのめり込んでいった。セネカは必死に政道をまともに正すぺくネロに勧告したが,ネロは全く聞く耳を持たなかった。ネロは哲学への関心は皆無であったものの,詩や演劇にはなにがしかのセンスを持っていた。セネカは詩作を通して,ネロの政治教育を目指すことを決意した。しかし,それだけを目的としたのではなく,セネカはローマ元首政のそして宮廷の人間模様を活写することで,いかに人の心は情念に支配され,理性的に周辺を見ることに目がくらむかを,この上ない文章力で作品化した。これが彼の悲劇作品であった。彼の悲劇は哲学と深く結びついていること,更にギリシア悲劇を見事にローマ的に改変している。ローマにはギリシア以上に沢山の悲劇作家が輩出したが,セネカの悲劇作品のみが完全な形で伝えられた。かつ彼の作品はその後のヨーロッパ演劇に大きな影響を与えた。このことを本研究は追考した。

  • Research Products

    (4 results)

All 2007

All Journal Article (3 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Book (1 results)

  • [Journal Article] ローマ帝政を運命として生きたセネカの政治哲学2007

    • Author(s)
      角田 幸彦
    • Journal Title

      明治大学人文科学研究所紀要 第61冊

      Pages: 2-42

    • Description
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] キケローとカエサルIV2007

    • Author(s)
      角田 幸彦
    • Journal Title

      明治大学教養論集 417

      Pages: 51-107

  • [Journal Article] 精神史としての政治哲学-ローマ最大の哲学者キケローの業績-2007

    • Author(s)
      角田 幸彦
    • Journal Title

      明治大学教養論集 417

      Pages: 1-50

  • [Book] ローマ帝政の哲人セネカの世界2007

    • Author(s)
      角田 幸彦
    • Total Pages
      369
    • Publisher
      文化書房博文社

URL: 

Published: 2010-02-04   Modified: 2016-04-21  

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