2007 Fiscal Year Annual Research Report
述語合成に関する記述的・理論的研究〜ドイツ語文法への対照言語学的接近〜
Project/Area Number |
16520228
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
大矢 俊明 University of Tsukuba, 大学院・人文社会科学研究科, 准教授 (60213881)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鷲尾 龍一 筑波大学, 大学院・人文社会科学研究科, 教授 (90167099)
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Keywords | 不変化詞動詞 / Ground Promotion |
Research Abstract |
ゲルマン語における不変化詞動詞(particle verb)では,通常,不変化詞の意味上の目的語が脱落する。例えばput the CD onにおいては,onの目的語であるはずの「プレーヤー」が慣習的に固定されることにより抑制されている。ところが,英語のwipe the table offやドイツ語のden Tischabwischenのようにoff/abの目的語が抑制されておらず,動詞の目的語として生起する不変化詞動詞も存在する。このような項構造を示す不変化詞動詞は,英語ではoff/outを持つものに限られるが,ドイツ語ではden Wagen aufladen‘load the car on'やdas Glas eingieβen‘pour the glass in'のようなauf‘on'やein‘in'を持つ不変化詞動詞も可能である。このGround Promotionと呼ばれる現象を扱った本年度は,1)この相違は英語のin/onは出来事の「結果」のみを表わすのに対し,ドイツ語のein(in)/aufは結果のみならず,「経路」ないし「方向」も表しうることに由来すること,2)ドイツ語において,漸増的対象(incremental theme)が三次元の容器に移動するという出来事をあらわす動詞の場合に(den Wagen aufladen‘load the car on'やdasGlas eingieβen‘pour the glass in'のように)ein(in)/aufがその意味上の目的語を伴って生起できることを示した。
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Research Products
(4 results)