2005 Fiscal Year Annual Research Report
スペイン語語彙バリエーションに関する調査とデータベース化
Project/Area Number |
16520231
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
上田 博人 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (20114796)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高垣 敏博 東京外国語大学, 外国語学部, 教授 (00140070)
アントニオ ルイズ・ティノコ 上智大学, 外国語学部, 教授 (80296889)
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Keywords | スペイン語 / 語彙 / バリエーション / データベース |
Research Abstract |
主に文献調査と郵送法による継続的なアンケート調査を行った. アフリカ,赤道ギニアのスペイン語の実態を調査するため,平成17年9月29日〜10月3日の期間,在フランス,赤道ギニア大使館にて,5名の赤道ギニア人を対象に集中的な語彙調査とインタビューを行った.また,次年度に予定されている現地調査に関する情報を収集した. スペイン語語彙バリエーション調査・研究の成果を「ラテンアメリカ言語学文献学会」(7月)と「国際方言学研究法学会」(9月)で発表した. 郵送法によるアンケート調査によって得られた資料は世界の都市×語形の二次元配列とし,都市のスペイン語の多変量解析を行った.語彙バリエーションの様相は語彙の地理分布を数量化した二次元マトリックスで表現されるが,これは客観的である反面,現地の実状を捨象したデータとなり,そのままで語彙の実態を反映することにはならないので各語をコンテキスト(文脈)とシチュエーション(状況)の中に位置づける必要がある.前者へのアプローチにはコーパス言語学の手法を用い,後者には写真や動画を用いた視覚的語彙集の作成が必要である.このようにインテンシブな現地調査とエクステンシブなアンケート調査を繰り返しながら世界で70名を越す参加者と連携し年度毎のプロジェクトを推進させた. アンケートの質問事項は一般の方言調査と類似して,一定の意味に対応する語形を問うものである.ここからクラスター分析などの多変量解析によって,難題とされていた語彙による方言区画にも一定の精度の量的分析が可能となった.
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