2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16520249
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Research Institution | Toyama Prefectural University |
Principal Investigator |
垣田 邦子 富山県立大学, 工学部, 教授 (10148827)
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Keywords | 文中ポーズ / 無音区間 / 韻律的特徴 / 喉頭調節 / 声門開大 / 声門閉鎖 |
Research Abstract |
本研究の目的は、発話中のポーズ挿入に伴う喉頭の調節の実態を解明することである。研究代表者による先行研究から、発話中にポーズが挿入されると、ポーズ前後の発話のリズムやピッチに特徴的な変化が現れることや、リズムとピッチではポーズの影響が及ぶ範囲(モーラ数)に特徴的な違いがあることが明らかにされている。これらの音響的解析の結果は、ポーズ挿入に応じて各種発話器官の運動の再調節が行われていることを示唆するものであり、本研究では、ポーズ挿入に伴う調音面(喉頭調節)の解析を行うことにより、ポーズ現象に関するこれまでの一連の研究をさらに発展させることを目的とする。 今年度は、まず、ファイバースコープで喉頭を観察する際に喉頭の深度を測定する有効な方法があるかどうかについての検討を行った。喉頭深度の測定については、ファイバー先端にスリットのあるアタッチメントを付け、スリットから出た多数の線同士の間隔をもとに対象物との距離を推定するなどの方法をはじめ、いくつかの可能性を検討したが、いずれも、体内に挿入することを考えた場合に安全が確保できないことから、実現は困難であるとの結論に至った。従って、予備データ収録では従来どおりのファイバースコープを用い、文中ポーズを含む発話における喉頭調節の映像を収録した。文中ポーズは、長短の2種類を同一文脈で比較した。その結果、定性的な所見として、(1)短い文中ポーズは声門閉鎖として実現される、(2)長めの文中ポーズは声門の開大を伴う場合が多いが、声門閉鎖として実現される場合もある、などの点が明らかにされた。
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Research Products
(3 results)