2005 Fiscal Year Annual Research Report
首都圏方言の母音の無声化とアクセントとの音声実態に関する基礎的研究
Project/Area Number |
16520259
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Research Institution | Kokugakuin University |
Principal Investigator |
久野 マリ子 国学院大学, 文学部, 教授 (90170018)
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Keywords | 首都圏方言 / 無声化 / アクセント核 / 東京方言 / 無声化の音環境 |
Research Abstract |
平成17年度は、首都圏方言の話し手の無声化とアクセント資料を収集した。 地点は、急東京市内、東京都北区、川崎市、国立市、津久井郡である。 無声化の目立たない東北方言、関西方言の資料も収集した。 地点は、兵庫県西脇市、岩手県盛岡市である。 またすでに収集した首都圏方言の無声化とアクセントの資料の整理を行った。 その結果、義務的に無声化する環境でも無声化しない語、無声化してもアクセントの高さを保つ語、無声化が進んで促音化して聞こえる語には、促音のあとにアクセント核が来ると語があることがわかった、促音のあとのアクセント核は、話者の意識を確認しても一致している。また、無声化によりアクセント核の位置が変わる語、広母音でも無声化する語が従来の語例以外にも認められた。 首都圏方言の話し手ではない共通語の発音では、無声化は連続することは少ない。一方、生え抜きの首都圏方言の話者では、無声化する環境が連続すると該当する拍が連続して無声化する傾向が見られた。 東京方言の話し手においては、無声化の規則の他に、東京方言の独自の音声変化が観察された。この現象が若年層に受け継がれるかどうかは、まだ不明である。 共通語化した話者の発音では、無声化はより規則的に起こり、アクセント核に影響を及ぼすに至っていないことが確認された。
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