2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16520267
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Research Institution | Osaka Gakuin University |
Principal Investigator |
笹間 史子 大阪学院大学, 情報学部, 講師 (60330114)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 己 香川大学, 経済学部, 助教授 (30304570)
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Keywords | クリティック / 接辞 / 北アメリカ先住民諸語 / 海岸ツィムシアン語 / スライアモン語 |
Research Abstract |
初年度である平成16年度は、まず、クリティックにかんする先行研究を概観し、クリティックのもつ諸性質、とりわけ共に自立性が低く、隣接する語または形態素と音声的なまとまりをなす接辞との違いについて、どのような記述がなされてきたか整理をおこなうことから始めた。 そのうえで、本研究代表者笹間・分担者渡辺がこれまで調査研究をおこなってきた海岸ツィムシアン語とスライアモン語において、クリティックがどのような形式的・意味機能的特徴(語根・接辞との位置関係、ホストの選択など)をもつか、記述をすすめた。また、クリティックをも視野に入れた「語」にかんする研究をおこなってきた宮岡伯人(大阪学院大学情報学部教授)の助言を得つつ、日本語のクリティックにも目を向けた。 さらに、海岸ツィムシアン語とスライアモン語以外の北アメリカ先住民諸語、そしてその他の地域の言語において、クリティックがどのような形式的・意味機能的特徴を有するか、文献資料や言語研究者から情報を収集した。 2回の研究打ち合わせをおこない、それぞれが研究対象とする言語のクリティックの諸性質と分析上の問題点について情報を交換するとともに、今年度および今後の研究について討議した。共に北アメリカ北西部で話される海岸ツィムシアン語とスライアモン語をとってみても、クリティックの形式的・意味機能的特徴にはさまざまな違いが見られることが明らかになってきている。
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