2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16520285
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Research Institution | Gakushuin University |
Principal Investigator |
前田 直子 学習院大学, 文学部, 助教授 (30251490)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大西 拓一郎 独立行政法人国立国語研究所, 研究開発部門, 主任研究員 (30213797)
三井 ハルミ 独立行政法人国立国語研究所, 研究開発部門, 主任研究員 (50219672)
小西 いずみ 東京都立大学, 人文学部, 助手 (60315736)
山田 敏弘 岐阜大学, 教育学部, 助教授 (90298315)
日高 瑞穂 秋田大学, 教育文化学部, 助教授 (80292358)
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Keywords | 方言 / 条件表現 / 原因・理由 / 山梨方言 / 富山方言 / 岐阜方言 |
Research Abstract |
本研究の目的は、方言の文法的側面に関する対照的研究の一分野として、条件表現について要地方言を統一的に調査し、標準語も含めて比較・対照することにより、現代日本語の条件表現について総合的な分析を行うことである。 最終年度である今年度は、この目的に沿って、条件表現のうち原因・理由表現についての調査をまとめ、『全国方言文法辞典《原因・理由表現編》』を作成した。以下は、その目次である。 1 原因・理由表現概説 原因・理由表現とは/原因・理由表現形式の通時的分布概観/原因・理由表現形式の地理的分布概観/方言における原因・理由の接続詞概観/東北方言における原因・理由表現形式の分布 2 各地方言の原因・理由表現 原因・理由表現調査項目一覧/青森県八戸市方言(若年層)の原因・理由表現/山形市方言の原因・理由表現/山梨県奈良田方言の原因・理由表現/岐阜市方言の原因・理由表現/美濃方言の原因・理由表現/富山方言の原因・理由表現/京都市方言の原因・理由表現/広島県三次市三和町方言の原因・理由表現/沖縄県那覇市首里方言の原因・理由表現 2の各地方言の原因・理由表現の報告を対照させると、以下のことが指摘できる。 (1)原因・理由表現の基本的な意味である、「事態の原因」「行為の理由」「判断の根拠」「発言・態度の根拠」については、どの方言にも、すべてを表し得る汎用の形式がある。 (2)以下の用法については、各地方言の諸形式のなかには、使用に制限のあるものがある。 ・主節が要求文などの働きかけの強い文である用法:富山方言のガデ・モンデ等 ・主節が叙述文などの働きかけの弱い文である用法:岐阜市方言のニ ・理由を表さない用法:富山方言のガデ、モンデ等 ・「XハYカラダ」のような述語用法:八戸市方言のスケ、富山方言のサカイ類、京都市方言のンデ ・推量表現に後接する用法:八戸市方言のスケ、富山方言のサカイ類、京都市方言のサカイニ・サカイ・ンデ ・文末用法:岐阜市方言のデ、富山方言のガデ・モンデ等、首里方言のシニチーテー なお、上記の研究成果は、用例に音声を付した形で、以下のウェブサイトにおいても公開している。 URL:http://hougen.sakura.ne.jp/
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Research Products
(7 results)