2004 Fiscal Year Annual Research Report
英語の「機能語」と呼ばれる語の意味ネットワークと孤立用法に関する意味論的・史的研究
Project/Area Number |
16520293
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
加藤 鉱三 信州大学, 人文学部, 教授 (20169501)
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Keywords | 前置詞 / 助詞 / 認知意味論 / 中心義 / 孤立用法 / 通時論的観点 / 日英語比較 |
Research Abstract |
【目的】 前置詞、接続詞などの機能語のうち、withなど多義性の極めて高いものを対象とし、(i)中心義の設定と(ii)孤立用法の研究を行なう。(i)は、雑多に見える用法・意味を整理し、一つのプロトタイプからそれらの用法が派生されている事を明らかにする。(ii)は、例えばwithの「〜に反対して」、inの「(3分)後」、byの「(昼)に」など、中核的意味からかけ離れているように見える語義について、それと中核的意味との関係を明らかにする。 【手法】 本研究では次の手法を用いる。 認知意味論的手法:基本的には認知意味論的手法を用い、機能主義的手法で補強する 通時論的観点:多義性の高い単語には歴史的要因が大きいことが多く(例えばsoから発達したas)、意味論研究と平行して単語の歴史を研究する 日本語との比較研究:対応する日本語の機能語と比較研究 【16年度の成果】 孤立用法に関しては、現段階では次の成果を得ている。 中心義の転移(by)、異形との役割分担(as, of)、近隣単語の消滅による守備範囲の拡張(with)、対応するフランス語の影響(for)。 日本語との比較に関しては、現段階では次の成果を得ている。 英語の前置詞が機能語でありながら「動き」を表現できるのに対し、日本語の助詞は関係しか表すことができない。
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