2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16520298
|
Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
井上 永幸 徳島大学, 総合科学部, 教授 (10232547)
|
Keywords | 英語シノニム / 英語類義語 / コーパス言語学 / 英語語法研究 / 英語辞書学 / 意味論 / 語用論 |
Research Abstract |
井上(2007)は,井上・赤野(2007)におけるシノニム・語法記述の妥当性を検証する意味で,Bank of English (5億2千万語)に基づく研究成果と照合するものである。コーパス基盤的(corpus-based)な方法論とコーパス駆動的(corpus-driven)な方法論とはどういったものかを確認した後,コーパス基盤的な方法論の具体例としてkind [sort] of(…の種類)に関する記述を紹介する。コーパス駆動的な方法論の具体例としては,conflict(s) of interest(利害の衝突)やit has (always) been a dream of mine to do (…するのが(いつも)夢でした)といった従来のESL/EFL (English as a second/foreign language)辞書で取り上げられていない定型句の特定,fallが従える補語形容詞の種類を種々の文法書や語法書に先駆けてコーパスのデータから一般化する試みを紹介している。また,その他の例として,程度の甚だしさを表す形容詞heavyとhard,状況・様子・結果などを尋ねる疑問文で用いるhowとwhat,特定の状況が初めてであることを述べる表現It was [is] the first time (that)...やThat was [This is, This was] the first time (that)...,肯定文で用いられるmanyの語法上の制約,程度を強める副詞句(very) muchの動詞との相性や文中での位置,-manや-womanといったPC(political correctness)上問題とされる各種表現における使用実態,同格のthat節に関してはそれを従える名詞だけでなく慣用的副詞句の形でのみ生起する名詞群について簡単に言及した。これらの成果は,平成19年度執筆予定の井上(2007b)で詳しく発表する予定である。なお,本補助金による雑誌論文や図書の形をとっていないため次ページのリストには挙げていないが,本研究に関連する研究業績を以下に挙げておく。 井上永幸(2006)「特集『辞書』の使い方・使わせ方『辞書のレーベルを読もう』」,『英語教育』2006年3月号,大修館書店,p.21. --(2006b)「コーパスを使った辞書と辞書指導」,英語教育リレーコラム,三省堂英語教科書・教材サイト(http://tb.sanseido.co.jp/english/index.html). --(2007)「学習英和辞典のシノニム記述と語法記述-Corpus-BasedからCorpus-Drivenへ-」,第8回英語辞書学ワークショップ2007,英語の辞書と語彙(大学英語教育学会(JACET)英語辞書研究会)〔2007年3月24日(土);於京都外国語大学〕. --(2007b,予定)「コーパスに基づく英語シノニム・語法研究」〔科学研究費補助金(課題番号:16520298)〕. --・赤野一郎編(2007)『ウィズダム英和辞典』第2版,三省堂.〔ISBN:4-385-10569-3,2144pp.〕
|