2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16520300
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
西岡 宣明 九州大学, 大学院・人文科学研究院, 助教授 (80198431)
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Keywords | 否定文 / PolP / NegP / NPI / 部分否定 / Agree |
Research Abstract |
英語、日本語を中心とする否定文の統語構造分析を生成文法の枠組みで行い、その背後にあるメカニズムを考察した。具体的には、否定文の統語構造分析に関する先行研究の文献を洗い直し、データを収集、整理した。そして、従来の理論、特にNeg-criterionに基づくNegP分析に関する問題点を明らかにした。その上で、英語と日本語における否定文におけるNegP、PolP等の機能範疇の役割を考察しなおし、否定文の節構造に関して近年研究代表者が提案しているTPの上位にPolPを想定し、否定文の許可が否定語とPolとAgreeを通して行われるとする分析が英語には妥当であるのに対して、日本語に関しては、PolPのない節構造が妥当であり、否定文の認可はNegPを通しておこなわれることを確認した。そして、否定対極表現(NPI)の認可とNPIを伴う再構築(reconstruction)に関する問題を考察して、先行研究の批判とともに英語に関してはPolPに基づく分析が有効であることを再確認し、そのことによる理論的意義を示した。また、否定文における否定と数量表現とのscopeの問題、とくに英語の部分否定にみられる統語的諸問題などに焦点をあて、PolP分析がこの問題に対していかに働くのかを示し、文法理論構築におけるその意義を考察した。さらに、日本語のwh(...)mo(e.g.誰も、何も)を考察し、そこにも英語の否定文の認可と同様のメカニズムが働いていることを論じ、その一般性を明らかにした。
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Research Products
(2 results)