2006 Fiscal Year Annual Research Report
第二言語によるライティングについての基礎研究:Good writingとは何か
Project/Area Number |
16520321
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
田中 真理 電気通信大学, 国際交流推進センター, 助教授 (20217079)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長阪 朱美 恵泉女学園大学, 人文学部, 教授 (50207990)
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Keywords | 日本語教育 / ライティング / 第二言語としてのライティング / 評価基準 / マルチプル・トレイト評価表 / プロンプト / 評価者 / 評価者間ミーティング |
Research Abstract |
1.第二言語としての日本語ライティングの評価基準を使っての調査と分析 (1)16年度よりアカデミック・ライティングの評価基準を開発中である。17年度にはマルチプル・トレイト評価表の修正版,レベル別サンプル・解説,プロンプトの解説等を作成し,日本語教師20名を対象にライティング評価講習会を行った。さらに,その中の8名にライティング評価調査を依頼した。 (2)18年度は上記調査に続き,アンケート調査,評価者間ミーティングを実施し,ライティング評価の総合分析を行った。その結果,以下の点が明らかになった。 a.本評価基準を使っての8名の日本語教師による2種のプロンプト,各26の小論文の評価の5つのトレイトのα係数は0.85〜0.93で,評価者間の一貫性がある。 b.2つのプロンプト間の相関は言語能力間で高く,プロンプトが異なっても言語能力の評価に影響のないことが示唆される。 c.「目的・内容」の評価には書き手の言語能力が影響する可能性がある。 d.評価には評価者の背景,ライティング観が関係する。 e.評価の不一致の原因等はある程度解明できたが,good writingの要素についてはまだサンプル数が少なく,今後の課題とする。 f.評価基準は,トレイト別基準はほぼ完成したが,レベル別基準は今後も検討する。 g.アンケート調査より,評価者の評価のプロセスやライティング観が伺える。 2.英語と日本語のライティング評価基準についての発表 "Can ESL Writing Assessment Be Applied to Japanese L2 Writing Assessment?"と題し,BAAL/IRAAL Conference(アイルランド)で発表した(長阪・田中)。 3.学習者のライティング評価の理解についての発表 「学習者・教師,双方向からのライティング評価」と題し,第11回ヨーロッパ日本語教育シンポジウム(オーストリア)で発表した(田中)。
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Research Products
(5 results)