2004 Fiscal Year Annual Research Report
言語間におけるライティング能力の双向性に関する研究:L2からL1へ
Project/Area Number |
16520343
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
小林 ひろ江 広島大学, 総合科学部, 教授 (50205481)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
リナート キャロル 広島市立大学, 国際学部, 教授 (20195390)
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Keywords | 議論文 / L2ライティング / L1ライティング / 作文課題 / 留学経験 / ライティング経験 |
Research Abstract |
本年の目標は、本研究の目的を達成するために、方法論を確立し、データ収集を行うことであった。 方法論に関しては、課題(トピック)の決定と実験参加者の選択がもっとも重要なことであり、課題については予備調査(アンケートでトピッの難易度を調査)を行い、そして実際にデータを集めた上で決定した。 選択したトピックは二つで、一つは高齢者と家族の同居についての是非、もう一つは早期外国語教育の是非であり、ともに社会的にも高い関心をよび、争点がある話題として議論文には適切であると判断した。 実験参加者の選択については、英語ライティング経験が豊かな学生として英語圏に少なくとも1年間留学した経験のある学生7名(おもに大学4年生)と英語ライティング経験が比較的少ない学生を3名、計10名を被験者として選んだ。 データは、一人につき2回の実験を行って収集した。1回目では日本語による小論文を書かせ、そのプロセスをビデオで記録し、ライティング終了後、すぐにインタビューを行った。約一週間後、同じ手順で英語の小論文とインタビューデータを収集した。一人の被験者の実験にかかった時間は5〜6時間であった。実験では日本語課題を英語より先に与えたが、これは英語で書く影響をできるだけ少なくするためであった。また書く状況を自然体にするために学生による電子辞書の使用を容認した。 現在はデータを整理し、先行研究(小林・リナート、14〜15年度科学研究費研究成果報告書)の分析方法を使い、分析を始めている。データ量としてはまだ不十分なので、17年度は英語圏に留学経験のある学生で英語力の高い大学院生を実験に参加させ、一方英語ライティング経験が少ない学生の数も増やし、データ量をより高める予定である。
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