2004 Fiscal Year Annual Research Report
異文化コミュニケーションのコンテクスト化のプロセス
Project/Area Number |
16520349
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
唐須 教光 慶應義塾大学, 文学部, 教授 (50102017)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 逸兵 慶應義塾大学, 法学部, 教授 (70213147)
須藤 路子 順天堂大学, スポーツ健康学部, 教授 (60226587)
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Keywords | 異文化コミュニケーション / コンテクスト化 / コードスイッチング / バイリンガル / 言語人類学 / 社会言語学 / 相互行為 / 第二言語 |
Research Abstract |
研究費補助を与えられた二年のうち初年度である本年は、フィールドワークを実施するとともに、本研究の基本的枠組みとなる理論面の補強を行った。フィールドワークについてはアメリカ合衆国において、日本語と英語のバイリンガル話者の言語行動からデータを集積した。特に、バイリンガル話者のコードスイッチングに着眼し、一話者における異文化コミュニケーションともいえる現象の分析を行っている。理論的枠組みとしては、言語人類学、コミュニケーションの民族誌の観点からこれらのデータについての考察を行っており、コード選択がたんなるメッセージ授受以上の意味合いを持つことを明らかにしてきた。 さらに、コミュニケーションにおける文化的な前提や慣習、メタコミュニケーション意識、メッセージの象徴的作用などについて、相互行為の社会言語学の立場からも研究を進めている。コミュニケーションの相互行為的な側面に関する分析の基本のとなる研究である。特に異文化コミュニケーションにおいては、コンテクスト化の慣習が異なっていることが想定されるが、そのような状況でいかに話者が解釈の枠組みを得ようとするかに着眼している。 加えて、音声学の立場から、英語母語話者と日本人英語学習者の、英語におけるリズムパターンの生成と知覚について研究を進めている。韻律はもっとも重要なコンテクスト化の合図(contextualization cues)の一つである。バイリンガル話者の発話において、どのような合図がコードスイッチングのシグナルとなっているかに着眼している。
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Research Products
(3 results)