2006 Fiscal Year Annual Research Report
テスト妥当性を高める為の英語プレースメントテスト作成システム
Project/Area Number |
16520353
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
藤田 智子 東海大学, 外国語教育センター, 助教授 (80329002)
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Keywords | 妥当性検証 / 項目応答理論 / プレースメントテスト / 3パラメータIRT / テスト情報曲線 / 習熟度別クラス編成 / 単一妥当性 / 英語統一プログラム |
Research Abstract |
1.妥当性検証の為のフレームワークの一般化 Messick(1989)が提唱した単一妥当性に基づき、大学の統一英語プログラムのプレースメントテストを例に使い、テスト妥当性検証のフレームワークを作成した。このフレームワークに基づき、改訂前と改訂後のプレースメントテストの妥当性検証を行い、改訂版プレースメントテストのほうがより妥当であるという証拠を多く集めることができた。これらの研究の成果をより多くの研究者に伝える為、博士論文「Validation of a Japanese University English Language Placement Test」を出版した。 2.本研究の今後の発展 (1)テストの研究は未だ古典的テスト理論に基づくものがほとんどで、わが国の教育機関ではIRT(項目応答理論)を利用した研究は一般的ではない。コンピュータソフトを利用すると煩雑な計算の手間も省け、はるかに正確なテストの分析が可能になるので、IRTを基にしたテストの分析をより一般に広めたいと考える。また、本研究で実施したように、量的分析だけではなく、学生と担当教員に大規模なアンケートを実施し質的分析も行うなど、多様な角度からの妥当性検証が必要であるということも、テストに関わる人々に参照してもらいたいと思う。 (2)入試やプレースメントテストなどは、受験者の命運を決める大切なテストである場合が多い。そのテストごとに妥当性検証フレームワークを作成し、そのテストの作成実施に関わった者は、テスト妥当性を絶えず追求する姿勢を持つ事が義務であると思う。 (3)今後は妥当性の高いテスト作成がより容易にできるように、既存の期末テストの項目を利用して、これらのテストを等化することでアイテムプールを作成する方法などを考えていきたい(2006年10月発表)。また、今まであまり実施していなかったテスト問題そのものの質を高める研究を、can-do statementを参照して進めたいと考える。より簡単に受験者に適応したテストを作成できるための量的・質的研究を進めていきたいと思う。
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Research Products
(2 results)