2006 Fiscal Year Annual Research Report
音声コミュニケーション中心の少人数授業における日本語母語話者のドイツ語習得過程
Project/Area Number |
16520358
|
Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
星井 牧子 早稲田大学, 法学学術院, 助教授 (90339656)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
生駒 美喜 早稲田大学, 政治経済学術院, 助教授 (90350404)
室井 禎之 早稲田大学, 法学学術院, 教授 (60182143)
|
Keywords | ドイツ語教育 / 第2言語習得 / 音声コミュニケーション |
Research Abstract |
本研究は音声コミュニケーションを中心とした少人数授業により日本語を母語とするドイツ語学習者の発話行動にどのような変化が生じるのかを、文法、語彙・理解方略、音声、コミュニケーション行動の4つの側面から実証的に分析し、少人数授業を通じたドイツ語習得過程を明らかにすることをめざすものである。 平成18年度は、平成16年度・17年度に収集した資料、特に会話調査部分のデータ分析を継続し、加えてあらたにデータ収集も行なった。 新規のデータ収集としては、4月・7月・10月・2月の計4回、合計16名の学習者にドイツ語母語話者との会話調査を行なった。調査課題は平成17年度に引き続き、1)自由会話、2)映画のストーリーの説明、3)ロールプレイ、4)あらかじめ用意された母語話者との会話を音読し、最後の部分だけ指示に従って自由に発話する、の4種類で行なった。また比較のため、同じ課題を母語話者2名にも行なってもらっている。平成18年度に収集した会話調査データも前年度までと同様に文字化の作業をすすめ、2月の最終調査分を除き、文字化作業を終了した。これまでの分析結果では、ポーズや先行する発話への反応速度など音声面の変化、統語構造の複雑化と語彙の拡大、コミュニケーション・ストラテジーの使用頻度増加とレパートリーの拡大など、コミュニケーション行動を含み、学習者言語のさまざまな側面に変化が現れていることが確認されている。 なお、2006年7月には、本調査が調査基盤としている音声コミュニケーションを中心とした少人数授業の試みについて、本プロジェクトとの関連も含め、日本独文学会関東支部主催のドイツ語教育研究会において研究代表者1名・研究分担者2名が共同で報告を行った。また2006年8,月には、韓国で開催されたアジア・ゲルマニスト会議(ソウル大学)において、研究代表者が調査プロジェクトの報告を行なっている。
|