2004 Fiscal Year Annual Research Report
マルチリンガルCALLにおけるティームティーチングと教材作成に関する実証的研究
Project/Area Number |
16520360
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Research Institution | Kyoto University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
小野 隆啓 京都外国語大学, 外国語学部, 教授 (90373084)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石川 保茂 京都外国語短期大学, 英語科, 助教授 (90257775)
立岩 礼子 京都外国語短期大学, 英語科, 助教授 (80321058)
梶川 裕司 京都外国語大学, 外国語学部, 教授 (40281498)
村上 正行 京都外国語大学, マルチメディア教育研究センター, 講師 (30351258)
寺嶋 浩介 国際言語平和研究所, 研究員 (30367932)
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Keywords | マルチリンガル / 同時学習 / ティームティーチング / 対照言語学的アプローチ / CALL教材 |
Research Abstract |
マルチリンガルCALLにおけるティームティーチングは、対象となる2言語の専門教員が同一時間に同一教室において同一教材を用いて行う授業である。この場合2言語とは、基軸となる言語を英語とし、もう一方の言語をフランス語、ドイツ語、スペイン語、中国語とする。(英語と中国語との同時学習授業は、2005年度から開始。)同一教材とは、英語の教材を上記の言語版を意味する。この教材を用いることで、対象両言語の発音、語彙構造、統語構造、意味構造、語用論的特徴、文化的特徴を、対照言語学的に研究し、その共通点、類似点、相違点を明確にし、両言語のより深い理解と習得を目的としたものである。この教授法において最も顕著な向上を見せたのは、統語的特徴の習得であった。同一意味を表現する形式を併記し、「文法的」、「非文法的」、「不明」の3選択肢の中から1つのみ解答させることにより、プリテストとポストテストを行った結果、「不明」の占める割合が圧倒的に少なくなるという結果を得た。それと同時に「文法的」、「非文法的」の判断に関しても正解率が高くなった。この結果は、マルチリンガルCALLにおけるティームティーチングの授業、CALL EXを受講しなかった学生と比較するとその相違はさらに明確なものとなった。従来型の、各言語独立型の教育形態は、導入初期教育法としては適切ではあるが、次の段階での教育法としては、マルチリンガルCALLにおけるティームティーチングの方が有効であることが明白であるという結果を得た。この結果をふまえたCALL教材のパイロット研究教材では、学習者のモーティベーションの促進をはかることが出来、全体として、それぞれの言語への個別習得意欲をも喚起し、それまで二次的な関心しか払ってこなかったもう一方の言語にも強い関心を示すようになり、より高い教育効果を生み出したことが調査から明白となった。
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Research Products
(1 results)