2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16520383
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
末柄 豊 東京大学, 史料編纂所, 助教授 (70251478)
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Keywords | 史料学 / 朝廷 / 天皇 / 古文書学 / 符案 / 紙背文書 / 官位 / 宣秀卿御教書案 |
Research Abstract |
本年度は、前年度に引き続いて、(1)符案の調査・収集、(2)符案の内容的な分析、という二つの方途によって研究をすすめるとともに、その成果をまとめて研究成果報告書(以下、報告書)を作成した。 上記(1)については、国立公文書館(内閣文庫)・京都大学(附属図書館)・京都御所東山御文庫・西尾市岩瀬文庫などの符案を所蔵する機関に赴いて調査を実施するとともに、宮内庁書陵部所蔵史料について紙焼き写真の購入による蒐集をはかった。また、東京大学史料編纂所架蔵の複本類による調査も継続して行った。そして、二年間の調査の結果をもとに、符案の所在情報を整理した目録を報告書に掲載した。 上記(2)については、前年度に作業対象とした『宣秀卿御教書案』についてさらなる検討をすすめた。特筆したいのは、今後のさらなる研究の基盤を確立するために、宮内庁書陵部所蔵の自筆本(宣秀宣胤筆録本)三冊のうち第一冊・第二冊について、原本闕失部分を近世写本で補いながら翻刻を行ったことである。この翻刻も報告書に収載したが、宣胤の筆録した他の文書案文集についての翻刻、さらには詳細な分析を行ったうえで『宣秀卿御教書案』と比較対照することは今後の課題となった。昨年度に索引化をすすめた同書第三冊については、点検を行うとともに内容分析上の所見を加え、これも報告書に収載した。昨年度に一部の判読をすすめた同書の紙背文書についても、詳細文書目録を作成して報告書に収載した。さらに、同書を主たる素材として応仁・文明の乱後における武家の官位任叙に関する検討を行った。また、『宣秀卿御教書案』以外にも複数の符案について翻刻を作成し、これも報告書に収載した。 そのほかにも、符案収載文書を利用することで伝来文書の理解を深化させる試みとして、『大徳寺文書』を対象に研究をすすめ、論文にまとめた。
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Research Products
(3 results)