2004 Fiscal Year Annual Research Report
戦後日本の軍事基地と地域社会-東富士・浜松・沖縄-
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16520385
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
荒川 章二 静岡大学, 情報学部, 教授 (30202732)
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Keywords | 軍隊 / 地域社会 / 在日米軍 / 自衛隊 |
Research Abstract |
本年度は予定した東富士演習場問題でも長期的調査に時間を割けなかったが、当初想定外の、静岡県平和委員会が所蔵する資料調査を実施することが出来た。同団体は、1960年代から40年にわたり静岡県内の東富士演習場、航空自衛隊浜松基地、沼津市今沢米軍基地の監視、調査活動を進めてきた組織であり、同委員会所蔵資料の調査が許可された結果、東富士演習場および浜松基地に関する同団体の機関紙記事・調査報告など貴重な資料を入手できた。また、東富士演習場の地権者団体である農民再建連盟の資料も多数保存していた。またこれも調査計画立案段階では想定外であったが、静岡県総務課の資料から戦後の地方行政の軍事事務の中枢的位置を占める自衛官募集事務の概略を記録した文書を入手できた。なお、本科研費調査とは別に、旭川の調査の機会を得たが、その際、旧陸軍関係資料と合わせ、陸上自衛隊北部方面隊関係資料の調査も実施した。科研調査対象だけでなく、戦前戦後を通観できる他の軍事基地調査も比較の観点から積極的に行っていきたい。 沖縄調査では、県庁情報公開資料、県立図書館などから近年の基地関係資料の追加調査を行った。今回十分予備的調査を行った沖縄県公文書館の本格調査が今後の課題である。浜松基地については、戦後の浜松関係新聞記事につき、見出しリストによる検索を開始した。 購入した主要文献は、アメリカ合衆国対日政策文書集成であるが、今回の購入により1955〜60年の安保改定期に関する日米防衛外交問題の文書集成がすべてそろった。また、沖縄復帰に直接かかわる日米防衛外交問題文書集成(1969年・沖縄編)を購入した。性暴力問題資料集成(『売買春問題資料集成(戦後編)』)は、米軍事基地をめぐる売買春問題、子供の教育環境問題、あるいは女性の基地反対の動きに関する分析のためである。
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