2004 Fiscal Year Annual Research Report
アブー・イスハーク・イブラーヒーム文書集の体系的調査によるアッバース朝行政の研究
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16520417
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| Research Institution | Kobe University |
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Principal Investigator |
清水 和裕 神戸大学, 文学部, 助教授 (70274404)
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| Keywords | アッバース朝 / 文書研究 / 行政史 |
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| Research Abstract |
初年度の研究作業は、その実施計画に従って以下のように進行した。
1.アブー・イスハーク・イブラーヒーム文書集の、各地に存在する写本のうち、カイロ所在のアラブ写本研究所所蔵マイクロフィルム4点(adab 745,adab 746,adab 2229,adab 1719)の複製を入手した。その内容は、adab 1719がイランのKitab Khane-ye Majlis Shuraに由来するもの、adab 745がトルコのスレイマニエ図書館付属Ra'is al-Kitab文庫に由来するもの、adab 746が同Ashir Efendi文庫に由来するもの、adab 2229がインド・デカン高原の地方都市ハイダラーバードのSa'idiyaなる図書館に由来するものであることが確認された。
2.テヘランに2つの写本(no.1456,no.1548)が存在することが、新たに確認されたため、現地に渡航し、その内容を調査した。所蔵図書館であるKitab Khane-ye Milli Malikにおいては、多くの方のご尽力によりマイクロフィルムではなく、写本現物を実見することが許可された。両者の比較対照により、(1)no.1456はすかし入りの西洋紙を用いた比較的成立年代の新しいものであり、内容的にも書記マニュアルとしての性質を失った美文集であること、(2)no.1548は詳細に朱筆による訂正が行われており、内容的な完成度の高い写本であることなどが判明した。
3.既存の校訂本と写本の比較対照作業は端緒に着いたばかりであるが、その土台となる基礎データの入力を開始した。このために新たにパソコンと各種ソフトによるデータベース環境を構築し、アラビア語によるプレーンテキストを作成して、後日データベース化するための基礎を固めた。また、その過程で検討した史料読解の成果の一部を用いて、論文を修正し、発表に備えつつある。
4.同時に、必要な工具書や文書関係の図書を購入し、神戸大学人文系図書館に備品として設置した。
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Research Products
(3 results)
