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2006 Fiscal Year Annual Research Report

徽州史料による元明清期社会変容の研究

Research Project

Project/Area Number 16520420
Research InstitutionKyushu University

Principal Investigator

中島 楽章  九州大学, 大学院人文科学研究院, 助教授 (10332850)

Keywords徽州 / 徽州文書 / 宗族 / 族譜 / 宋元明移行期 / 家産分割 / 山林経営 / 紛争処理
Research Abstract

本年度は前年度の研究成果を発展させ、宋代における「累世同居」的同族結合から、宗族的結合への展開過程、明代徽州における小規模同族の家産分割と同族共有資産の関係、清代徽州における小規模同族の山林経営の実態、および地域内紛争と宗族形成の関係などについての考察をすすめた。
こうした作業によって、宋代から元明を経て清代にいたる、長期的な社会変動のなかで、地域開発を主導し、地域内資源をめぐる競争に対処し、勝地域外へのネットワークを広げる手段としての宗族形成が進められたことを示した。また従来の宗族研究では、もっぱら宗族全体が所有し、その収益も宗族全体に帰属する、狭義の「族産」が専ら論じられてきた。しかし本研究では、特に徽州地域では、山林などの資産が、同族のメンバーが共同経営し、収益は持ち分に応じて分配する「共業分股」という形式が重要であったことを示した。かつそれば、家産の均分制度のもとでの流動的な資産保有をもたらしたことを明らかにし、かつこうした資産保有形態の、近世日本におけるイエや「株」のシステムとの対照性を指摘した。
また徽州文書を中心とする、近年の中国における文書・档案史料の整理・収集と、その研究に関する動向を包括的に整理し、日本・朝鮮・ヨーロッパにおける文書史料の収集と保存の状況とも比較しつつ考察し、シンポジウム報告として発表した。また安徽大学徽学研究センターの研究者との交流、および日本での講演会における通訳なども行っている。
以上の研究活動のために、東洋文庫・京都大学人文科学研究所・早稲田大学図書館などにおいて、徽州関係の族譜、及び関連する研究関係などの調査・収集を行ない、徽州文書、徽州社会、宋元・明清期の社会経済史・法制史などに関する史料や研究文献を購入した。

  • Research Products

    (2 results)

All 2006

All Journal Article (2 results)

  • [Journal Article] 清代徽州の山林経営・紛争・宗族形成-祁門凌氏文書の研究-2006

    • Author(s)
      中島 楽章
    • Journal Title

      社会経済史学 72巻1号

      Pages: 3-25

  • [Journal Article] 累世同居から宗族形成へ-宋代徽州の地域開発と同族結合-2006

    • Author(s)
      中島 楽章
    • Journal Title

      宋代社会の空間とコミュニケーション(平田茂樹, 遠藤隆俊, 岡元司編)(汲古書院)

      Pages: 215-248

URL: 

Published: 2008-05-08   Modified: 2016-04-21  

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