2004 Fiscal Year Annual Research Report
19世紀末イスタンブルの演劇空間-都市社会史の視点から-
Project/Area Number |
16520425
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
永田 雄三 明治大学, 文学部, 教授 (20014508)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
江川 ひかり 立命館大学, 文学部, 助教授 (70319490)
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Keywords | トルコ / 演劇 / イスタンブル / 西欧化 / オスマン帝国 / カラギョズ / オルタオユヌ / コメディ |
Research Abstract |
初年度である今年度は、まず分析の材料である「19世紀末〜20世紀初頭のイスタンブルで上演されたポスター」資料(150点)に記載された諸事項のうち、1、上演された年月日、2、劇団名、3、劇場名、4、演目、5、演劇の構成の5項目に絞って、パソコンによるデータベース化を行った。その結果得られた結果は、以下のとおりである。 1、上演された年月日:1881年から1920年をカバーするが、大半は1890年代から1910年代に集中しており、これはオスマン帝国末期の「西欧化」改革の真っ直中に相当する時期である。 2、劇団名:「オスマン演芸団」、「オスマン演劇学校」、「オスマン・オペラ劇団」、「オスマン劇団」、「オスマン幻想劇団」、「オスマン・コメディー劇団」、「オスマン爆笑劇団」、「オルタオユヌ劇団」「オスマン国民劇団」など多様な劇団の活動が見られる。 3、劇場名:「オデオン座」、.「ヴァリエテ座」といった明確な劇場名も見られるが、多くは単に所在地名で示されている。これによると、イスタンブルの旧市街(ムスリム住民多し)、新市街(キリスト教徒多し),およびアジア側のユスキュダル、カドゥキョイなどきわめて広範な地域で上演されていたことが判明した。 4、演目:カラギョズ、オルタオユヌなどの伝統芸能、民話物、歴史物、西洋演劇の翻訳物、コミック、スリラーなど要の東西におよぶ多彩な演日が見られる。 5、演劇の構成:3幕から5幕程度のものが主流を占めているが、この構成分けは西洋演劇のスタイルをそのまま取り入れているように思われる。 来年度は、ひきつづき「監督」、「俳優」、「広告」などについてのデータベース化と分析をおこなう。
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Research Products
(4 results)