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2006 Fiscal Year Annual Research Report

19世紀末イスタンブルの演劇空間-都市社会史の視点から-

Research Project

Project/Area Number 16520425
Research InstitutionMeiji University

Principal Investigator

永田 雄三  明治大学, 文学部, 教授 (20014508)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 江川 ひかり  立命館大学, 文学部, 教授 (70319490)
Keywords正劇 / ヴァラエティ / カラギョズ / オルタオユヌ / イスタンブル / コメディ / アルメニア人 / トルコ
Research Abstract

トルコにおける西洋演劇の受容は、まずヨーロッパ風の近代的劇場を建設することにはじまったが、それは、当時のヨーロッパに流行していたアールヌーボー建築を中心としたものであった。また、観劇に伴う人の移動を容易にするための交通手段の発達、西洋風のファッションの移入などの多様な面においてこの町の「近代化」に大きく寄与した。
一方、演劇史としての側面から西洋演劇受容の諸相を検討した結果、西洋から受容されたのは、従来の研究で強調されているような芸術的価値の高い「シェークスピア劇」に代表される「正劇」だけではなく、むしろ当時ヨーロッパで流行していたコメディ、バレエ、カント、ヴォードヴィル、オペラ、オペレッタ、などから構成される、いわゆる「ヴァラエティ」演劇を、最初はヨーロッパの芸人を招待することによって、そしてのちにはイスタンブル在住のアルメニア人たちが演じることによって、積極的に導入した。本研究の成果によれば、トルコの西洋演劇受容において最も成功したのは、「正劇」分野よりもむしろ「ヴァラエティ」部門であったと考えられるが、それは「ヴァラエティ」部門が、喜劇性と音楽性の豊かなトルコの伝統演劇(カラギョズ、オルタオユヌ)と共鳴するところがあったからである。つまり、西洋演劇の受容は、伝統演劇を衰退させるよりは、むしろ活性化させることにつながったといえる。このことは、当時のイスタンブルがパリ、ロンドン、ウィーンなどとも共通する「演劇都市」としての性格を持っていたことを示している。そのため、今後西洋演劇受容の局面を、たとえば、ヴェネツィアのコメディア・デラルテのような西洋における「即興喜劇」と似た性格を持つトルコの伝統演劇「カラギョズ」および「オルタオユヌ」との比較を試みることが、本研究の成果をより発展的に展開するために必要である。

  • Research Products

    (1 results)

All 2006

All Journal Article (1 results)

  • [Journal Article] オスマン帝国末期イスタンブルの演劇空間-ポスター資料の分析を中心に2006

    • Author(s)
      永田雄三
    • Journal Title

      駿台史学 第129号

      Pages: 105-128

    • Description
      「研究成果報告書概要(和文)」より

URL: 

Published: 2008-05-08   Modified: 2016-04-21  

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