2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16520434
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
池上 俊一 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (70159606)
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Keywords | 音 / 中世 |
Research Abstract |
本年度は、前年度に収集し、整理・分類した史料のうち、まだ分析の終わっていないものについて、検討を進めた。 まず、古文書史料については、音の種類(鐘、鈴、ラッパ、角笛、カスタネット、太鼓、叫び声)別にカードにとった該当箇所を、今度は、それぞれの音が鳴らされた状況と突き合わせながら、その機能・役割を明らかにした。それにより、地域・年代ごとの用途別分布の差異が、ある程度明らかになった。文化と社会における意味の考察に際しては、ヨーロッパ中世、およびルネサンス期にかんする最新の研究書を追加で収集し、さまざまな角度から検討を重ねた。 図像という表象における音と、実際に鳴らされる音の「文法」とは無関係ではない、という前提から、図像史料の分析も始めた。「音」の表現が、他の諸場面の表現といかなる関わりをもつかについて、文字からは推知できない事実が判明した。たとえば写本挿絵において、「音」は、漫画の符牒のような記号で表されているが、その規則を突き止めるべく、中世のイコノグラフィーおよび、「身振りの文法」についてのフランスの美術史家の業績などを参考に、集まった図像を分類して整理する作業を行った。
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Research Products
(2 results)