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2005 Fiscal Year Annual Research Report

古代ギリシアのポリスにおける碑文慣習文化に関する研究

Research Project

Project/Area Number 16520450
Research InstitutionChiba University of Commerce

Principal Investigator

師尾 晶子  千葉商科大学, 商経学部, 助教授 (10296329)

Keywords古代ギリシア史 / 史料学 / 碑文学
Research Abstract

今年度は,碑文建立文化の起源についての分析を試みることに重点を置いた。とりわけ,アルカイック期アテナイにおける奉献碑文と墓碑銘の形式の分析を通して,(1)貴族の間で広がった私的な慣習が,どのような経路で,またどれほどのスピードで中流階層に拡散していったか,(2)私的な慣習がいかにして公的な性格を持つ奉納慣習を生み出したか,(3)ポリスの発展過程がいかに上記の流れを生み出したか,(4)上記(1)(2)(3)の流れに対する反動はあったのか,等について考察した。これらについては,'Literacy in the Archaic Period : Their Aristocratic Nature'に素描し,また2005年11月の史学会大会において,「アテナイにおける公的碑文の出現」というタイトルで口頭報告を行った。後者については,なるべく早い段階で論文として投稿する予定である。これまでのところ得た知見としては,(1)まずは貴族の問で享受されていた奉献物に文字を記すという行為は,クレイステネスの改革以前にすでに中流階層の人々にも普及していた,(2)このことが,決議碑文の建立という独特の文化を生み出す背景となったかもしれない,(3)個人ではなく集団による奉献行為の出現は,それが半ば公的な性格を持つがゆえに決議碑文をはじめとする公的碑文の出現の前提となったと考えられる,(4)なぜなら,集団による奉献においては,その集団の由来が官職名の記載という形で明らかにされているからである,(5)碑文建立文化の起源についての考察からは,「名乗り」が碑文におけるもっとも基礎的かつ重要な要素であることが見えてくる,(6)この「名乗り」は,ポリスの民主化を進める一方で,エリート層の人々による差別化の表現ともなりうる,の諸点である。今後は「名乗り」の背景にある宗教的な意味についての考察を深める予定である。

  • Research Products

    (4 results)

All 2005

All Journal Article (4 results)

  • [Journal Article] デロス同盟研究の今2005

    • Author(s)
      師尾 晶子
    • Journal Title

      歴史と地理(世界史の研究) 584(203)

      Pages: 50-53

    • Description
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [Journal Article] デロス同盟と碑文研究2005

    • Author(s)
      師尾 晶子
    • Journal Title

      歴史評論 667

      Pages: 65-76

    • Description
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [Journal Article] ミレトス決議(IG I^3 21)---125年の学説史2005

    • Author(s)
      師尾 晶子
    • Journal Title

      千葉商大紀要 43-1

      Pages: 13-66

  • [Journal Article] Literacy in the Archaic Period : Their Aristocratic Nature2005

    • Author(s)
      Akiko MOROO
    • Journal Title

      ギリシアにおけるポリスの形成と紀元前8世紀の東地中海世界(平成14-16年度科学研究費補助金基盤研究B2研究成果報告書(研究代表者 桜井万里子)

      Pages: 30-45

URL: 

Published: 2007-04-02   Modified: 2016-04-21  

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