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2006 Fiscal Year Annual Research Report

東アジアにおける武器・武具の比較研究

Research Project

Project/Area Number 16520478
Research InstitutionNational Research Institute Cultural Properties, Nara

Principal Investigator

小林 謙一  独立行政法人文化財研究所奈良文化財研究所, 企画調整部, 企画調整室長 (70110088)

Keywords騎兵装備 / 高句麗 / 壁画 / 防禦施設
Research Abstract

高句麗古墳の副葬品の内容を検討しえたことにより、韓半島における重装騎兵を含む北方系甲冑の源流をより明確にすることができた。さらに、高句麗古墳の壁画に描かれた武具を詳細に検討すると、その表現方法がいくつかに分かれ、高句麗古墳から出土した小札の素材に鉄、金銅、革製漆塗があることも考慮すれば、鉄製か有機質かという素材によって描き分けている可能性が考えられるにいたった。これにより、壁画に描かれた武装は、当時の実態に基づいている蓋然性がより高くなった。また、大きく北方系、在地系、倭系に分かれる韓半島の甲冑は、加耶地域をはじめとする韓半島全域に分布する北方系が、主たる防禦具であったことを示している。
集落をめぐる溝は、居住地の乾燥・防湿、つまり集落内の排水だけでなく土塁・逆茂木等とも組み合わせて防禦も兼ねると考えられるものであるが、物見櫓等も含め、集落の防禦施設としては、武器武具の変遷に呼応するような明確な変化は確認できない。このことは、弥生時代・古墳時代を通して、日本列島内においては、戦闘方法に大きな変化がなかった、つまり、基本的に歩兵戦であったことを示しているのであり、騎兵装備の導入にも影響を及ぼしたと考えられるのである。
5世紀第2四半世紀の日本列島に出現した騎兵装備は、新式の武器・武具として導入されたものであり、馬は、これとは別に、人を乗せ、物資を運搬するものとして登場した。この時期の武器・武具の変遷に見られる画期より、馬具の出現が時期的に遡る事実は、こうした状況を反映しているのであろう。

URL: 

Published: 2008-05-08   Modified: 2016-04-21  

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