2004 Fiscal Year Annual Research Report
中国四川農村における市場圏の空間性の実態解明に基づく新たな農村空間論の構築
Project/Area Number |
16520490
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Research Institution | Kobe City University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
小島 泰雄 神戸市外国語大学, 外国学研究所, 助教授 (80234764)
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Keywords | 国際研究者交流 / 中国 / 四川 / フィールド調査 / 場鎮 / 市場圏 / 生活空間 / 人文地理学 |
Research Abstract |
本研究課題の初年度にあたる本年度は、中国における場鎮の実態について2つの方向から研究を進めた。まず近年刊行された県志を通して、ひろく中国全土の状況について概観を行った。多くの県志が冒頭の概況部分で場鎮(集鎮・市鎮・墟市)について記載していることは、その県域空間における重要性を物語るものでもある。商業部分などの個別記載からはより場鎮の状況が看取され、その地域性について検討を進めている。 もう一つの接近法であるフィールド調査は本年度の研究の主体をなす。フィールド調査は季節要因を考慮して2度にわけて実施された。第1回の12月16日から25日までの10日間は、現地調整を快諾いただいた方一平研究員(中国科学院成都分院)とフィールド調査全般の打ち合わせの後、成都図書館などで地方志関係資料を閲覧し、車両を借り上げて自貢まで場鎮観察を主とした広域のフィールド調査を行った。第2回の3月13日から26日までの14日間は、成都市南部の新津県において10カ所の場鎮を訪問し、景観観察を行うとともに、場鎮史と個人史について高齢居住者への詳細な聞き取りを行った。また成都図書館では所蔵する1980年代に刊行された郷鎮志を綿密に読み込み、聞き取り調査の立体化を図った。 現在なお分析を進めている段階ではあるが、場鎮のもつ動態性や地域性が明らかとなりつつあり、学会報告、学術論文などの形式で公表をする予定である。また次年度においてはその空間性の解明に努めてゆく。
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