2006 Fiscal Year Annual Research Report
地域社会における法律専門職の役割とその機能に関する比較法史的研究
Project/Area Number |
16530011
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Research Institution | OSAKA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
三阪 佳弘 大阪大学, 高等司法研究科, 教授 (30219612)
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Keywords | 法律専門職 / 弁護士 / 代言人 / 近代フランス司法制度 / 近代日本司法制度 / 地域社会 |
Research Abstract |
本研究は、地域社会における法律専門職の役割と機能を軸にして、日本の紛争解決のあり方について、より広い比較法史的視野のなかでその個性を明らかにすることを目的としているが、今年度は、昨年度までの分析をふまえて、以下の研究を行った。まず、一定の地域社会における訴訟をめぐる法律専門職の活動を軸にして、その地域社会の紛争処理に関わる人々の役割と機能を、一つのまとまりとして明らかにすることについては、フィールドとしている大津地方裁判所彦根支部について、近世末から明治前期にかけての移行期における彦根地域の代言人・弁護士層およびその周辺部を構成する「代人」層についての人的資料の収集と、明治後期の弁護士層との連続性を明らかにする作業を行った。ただ、これについては、大津弁護士会所蔵資料が現段階で未公開なため、概括的な検討を行ったにとどまった。次に、地域における法的需要の満たし方についての全国的動向を検討するために、大正期から昭和期の弁護士法改正過程における議論動向を分析した。最後に19世紀後半のフランスの法律専門職のあり方との比較分析については、近年フランスにおいて急速に解明が進んでいる近代弁護士研究に関する文献資料の検討を引き続き進めた。なお、以上の検討をふまえて研究課題についての総括を行った。なお、本研究課題に関連して、社会の法的需要についての全国的動向を示す指標としての大審院判決の研究を行うなかで、(共著書)『近代日本における社会変動と法』を成果として発表した。
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Research Products
(1 results)