2006 Fiscal Year Annual Research Report
先住民族の文化享有権及び知的財産権の保障の実証的・比較法的研究
Project/Area Number |
16530014
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
常本 照樹 北海道大学, 大学院・法学研究科, 教授 (10163859)
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Keywords | 公法学 / 民族学 |
Research Abstract |
18年度は、平取ダム建設に係るアイヌ文化環境保全対策調査委員会の最終報告を受けて、その具体的実施方策及び補充調査を行うための組織が設置され、その委員として審議検討に参加することを通じて、公共事業の中で先住民族の文化享有権を具体的に実現するためのプロセスを実践した。 研究活動及びその成果の公表としては、2006年9月に台湾の国立政治大学原住民族研究中心が主催する"International Symposium on Traditional Community and New Ethnic Autonomy"に招聘され、"Autonomy of Ainu People under Japanese Constitution"と題する研究報告を行った。これは、先住民族の自治権を承認していない日本国憲法の下で憲法13条を根拠とする文化享有権に基づいてアイヌ民族に適合した「自治」を実現する可能性を探ったものである。 同じく文化享有権に基づく「自治」の可能性についてより詳細な研究成果を公表したのが、2007年1月の「道州制とアイヌ民族---グローバル時代における地方政府と先住民族」(学術創成シンポジウム)における「民族自決権とアイヌ民族の『自治』」である。さらに、「世界の先住民族の国際10年」記念事業として行われた2007年2月の「アイヌ民族シンポジウム」においては、「『先住民族の権利に関する国連宣言』と『国際人権規約の日本政府第5回報告』について」と題する研究報告で、国連宣言における文化的権利承認の意義について明らかにした。 これらの他に、先住民族の知的財産権については、2006年12月に北大法学部における特殊講義「新世代知的財産法政策学」で「先住民族の文化と知的財産」と題した講義を行い、研究成果の一部を公表した。これはWEBで公開されている。
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Research Products
(1 results)