2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16530016
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
宇賀 克也 東京大学, 大学院・法学政治学研究科, 教授 (90114397)
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Keywords | 個人情報保護 / プライバシー / 教育情報 / 医療情報 / 個人信用情報 |
Research Abstract |
本年度は、まず、「個人情報の保護に関する法律」「行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律」「独立行政法人等の保有する個人商法の保護に関する法律」により設定された個人情報保護のミニマム・スタンダードに達していない法令の有無をも網羅的に調査した。その結果、戸籍法、住民基本台帳法が重大な問題をかかえていることが確認された。すなわち、これらの法律は、個人情報保護の意識が低い時代に制定され、その後の改正が不十分であるため、個人情報保護措置が、今日の社会通念に合致しないものになっている。住民基本台帳法についていえば住民基本台帳の写しの一部の閲覧、住民票の写しの交付請求、戸籍の附票の写しの交付請求を原則として何人にも認める制度は、地方公共団体の個人情報保護の水準を押し下げる効果を果たしているので、早急に法改正がなされるべきことを論文において主張した。 次に、「個人情報の保護に関する法律」「行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律」「独立行政法人等の保有する個人情報の保護に関する法律」の制定を受けて、個人情報保護条例を制定・改正する際の論点について論文を執筆した。とりわけ、地方独立法人を実施機関に含めるべきことを強調した。 さらに、「個人情報の保護に関する法律」に基づき、各分野でガイドラインが制定された(私自身、医療・介護分野における個人情報保護ガイドラインの制定に携わった)ので、ガイドラインを収集し、比較検討を行った。特に、医療、金融・信用、情報通信、教育分野におけるガイドラインについて、重点的に調査し、問題点を検討し、著書(「個人情報保護法の逐条解説」(第2版)(2005年、有斐閣)において、その成果を公表した。
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Research Products
(7 results)