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2006 Fiscal Year Annual Research Report

憲法上の公私間関係と公共性-ドイツと日本の比較研究

Research Project

Project/Area Number 16530026
Research InstitutionRitsumeikan University

Principal Investigator

中島 茂樹  立命館大学, 法学部, 教授 (10107360)

Keywords公共性 / 公共圏 / 法治国家原理 / 民主制原理 / 正統性 / 憲法 / 権限委任 / 行政補助
Research Abstract

「憲法上の公私間関係と公共性」というテーマにつき、これを規範的な問題設定の形で検討しようとする場合、その検討の柱として、(1)「公共性論のいま」、(2)「空間概念としての公共圏」と「正統性規準としての公共性」との関係、(3)「市民社会」(Zivilgesellschaft)概念と公共性問題(4)「公共的なるもの」を判定する憲法論上の価値基準、(5)GG33条4項の「主権的権能(hoheitsrechtliche Befugnisse)、(6)憲法の規範的規制力の部分化という現象、という論点を設定していた。
これらの検討の成果の一部として、昨年度には、ハーバーマスの領域ないし空間概念としての「公共圏」論とは区別される正統性規準としての「公共性」論を改憲イデオロギー、なかんずく教育問題に即して検討した「改憲イデオロギーと公共性問題」(山口定・中島茂樹・松葉正文・小関素明編著『現代国家と市民社会』〔ミネルヴァ書房、2005年〕)を公表することができた。
これらをふまえた本年度の研究により、現代資本主義国家の多次元的ネットワーク・ガヴァナンスシステムが、一方では、主権国家性の脱国民化に伴う国民国家の諸活動の領域的拡散、すなわち、脱領域化と再領域化、他方では、政治システムの脱国家化に伴う公私区分の境界線の再定義、国家的課題の再配分、領域的区分線を越えた組織と課題との関係の再結合といった現象を帯びるものとなっており、前者は、「主権の空洞化」を、後者は、公的アクター、擬似国家的アクター・NGOのパートナーシッップのきわめて多様な形態およびレベルが重要なものとなるなかで、国家は同輩中の第一人者にすぎなくなっているのではないかという問題を生起するに至っている、ということを検討してきた。
また、「正統性規準としての公共性」という問題関心から「憲法上の公私間関係」を検討にする場合、そこで不可欠な論点となるドイツにおける法治国家原理や民主制原理をめぐる議論、権限委任(Beleihung)や行政補助(Verwaltungshilfe)や制度的機能留保(institutioneller Funktionsvorbehalt)の規定としてのGG33条4項などをめぐる研究動向について検討を進めており、最終的な研究のまとめに向けて一定の前進を見ることができた。

  • Research Products

    (2 results)

All 2007 2006

All Journal Article (2 results)

  • [Journal Article] 強制加入団体の政治献金と構成員の思想の自由2007

    • Author(s)
      中島 茂樹
    • Journal Title

      別冊ジュリスト 憲法判例百選I〔第5版〕

      Pages: 82-83

  • [Journal Article] 【鑑定意見書】「日本の地で、日本人として、人間らしく生きる権利」は裁判規範となりうるのか?2006

    • Author(s)
      中島 茂樹
    • Journal Title

      神戸地方裁判所民事第6部および東京地方裁判所民事第28部へ提出

URL: 

Published: 2008-05-08   Modified: 2016-04-21  

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