2005 Fiscal Year Annual Research Report
知的財産権の権利行使に対する競争政策的観点からの規整の在り方
Project/Area Number |
16530073
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
泉 克幸 徳島大学, 総合科学部, 助教授 (00232356)
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Keywords | 知的財産権 / 著作権 / 特許 / 独占禁止法 |
Research Abstract |
1)前年度に続き、資料収集活動や研究会への出席を継続して行った。また、他大学の研究者や、弁護士・弁理士との意見交換も積極的に行った。 主な資料収集先:神戸大学図書館、関西特許情報センター、(財)ソフトウェア情報センター、(社)著作権情報センターなど。 参加した主たる研究会:独禁法判例研究会(事務局:(財)比較法研究センター)、関西経済法研究会(事務局:公取委近畿事務所)など。 2)本年度は「権利濫用理論の再検討」に焦点を当てて研究を行った。このテーマは、先端技術情報に関する知的財産権の行使が産業の発達やイノベーションの阻害といった弊害をもたらす危険性があるところ、一定の権利行使を権利濫用あるいは米国判例理論のミスユース法理の応用によって是正しようというのが考え方の出発点である。経済産業省も「ソフトウェアの法的保護とイノベーションの促進に関する研究会」の中間論点整理(2005年10月11日公表)において、パテントミスユース法理と同様の効果が得られる法理をわが国にも導入することの提案を行っている。この研究会の関連研究会である「ソフトウェアに係る知的財産権の濫用に関する調査研究会」の席上において、「米国におけるミスユース法理の概略と若干の覚書」というテーマで報告を行った(同年11月7日)。 3)また、権利濫用理論の具体的応用問題とも考えられるDMCA(米デジタルミレニアム著作権法)のアクセスコントロール規定に基づくアフターマーケットの支配にも着目して研究を行った。このことにつき、独禁法判例研究会において、「DMCAのアクセスコントロール規定を用いてアフターマーケットを支配しようとした行為が失敗に終わった2つの事例」というテーマで報告を行った(2005年10月1日)。 4)本年度の成果の一部として「ビリング業務に用いられるコンピュータプログラムの貸与権侵害と被貸与者の不当利得」を公表した。
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