2004 Fiscal Year Annual Research Report
地域的安定における地域統合の役割の序論的研究-EUとトルコを例に
Project/Area Number |
16530084
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
八谷 まち子 九州大学, 大学院・法学研究院, 助教授 (40304711)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
間 寧 日本貿易振興会, アジア経済研究所・地域研究センター, 中東グループ長(研究職)
森井 祐一 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教授 (00284935)
|
Keywords | 欧州連合(EU) / 地域統合 / 社団(Association) / 移民国家 / 移民政策 / ドイツ / トルコ / 地域的安全保障 |
Research Abstract |
本年度は当研究の初年度であり、かつ、採択の通知を受け取ったのが10月であったため、具体的な成果はまだ出ていない。しかし、やや出遅れた研究期間でできるだけ多くの実りをあげるべく、以下のような活動を行った。 1.研究課題との関連で各人の専門とする分野における文献を網羅的に収集する。その結果、三人の共同研究者合計で、90冊程度の文献を手元に置くことができた。 2.研究代表者は、平成16年12月4-8日にかけて、キプロス共和国へ調査旅行を実施、キプロス大学教授およびヴァシリウ元共和国大統領と意見交換を行った。 3.平成17年1月8,9日に、九州大学で研究会を開催した。そこで、当究課題における各人のそれぞれの担当テーマに関して、現状の報告を行い、それに基づいて今後のより具体的なテーマを決定した。 3.1.状についての報告は以下のようなものである。 八谷(研究代表者):EUにおける「地域的安定」の意味とトルコの役割の意義づけを、EUの共通安全保障政策、および、近隣地域政策をEU公文書を中心に報告した。 間(研究分担者):トルコ国家の政治システムおよび市民社会の構造を基礎的情報として報告した。加えて、トルコの政治システムおよび市民社会に関する情報検索の方法と資料の紹介をした。 森井(研究分担者):ドイツ政府の移民政策の変化をEU統合の進展の流れの中で紹介した。加えて、ドイツ国内におけるトルコ人社会に関する論文の紹介および主要な研究機関、文献の紹介を行った。 3.2.究課題における分担テーマの確定 我々の研究課題における問題関心は、地域的安定の確保を地域統合体のなかでの国家レベル、および市民社会レベルの両方が果たす役割を通して考察する点にある。この観点から、研究テーマを決定した。 八谷:EUにおける「地域的安定」の考察を深め、トルコの役割を多面的に考察する。 間:トルコにおける市民社会の活動と政策へのインパクト(社団を中心として)を明らかにする 森井:ドイツの「移民国家」論の変容をEU統合との関連において明らかにする 以上の研究成果を持ち寄って、平成17年7月に次回研究会を開催する事とした。
|