2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16530088
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
縣 公一郎 早稲田大学, 政治経済学術院, 教授 (00159328)
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Keywords | 規制緩和 / テレコム規制 / 日独比較 |
Research Abstract |
本研究では、1980年代から展開されてきた行政改革の成果を、特にその進展が顕著であった情報通信規制改革を取り上げて、20年近くを経た現時点において、一定の指標を用いて実証し、改革政策の将来展望を提示することを目的としている。情報通信分野における科学技術の進展は、情報通信サーヴィスの供給体制に非常に大きな影響を与え、1980年代初頭のアメリカにおける民間独占の解消をきっかけに、市場自由化と規制緩和の潮流が、ヨーロッパと日本に押し寄せた。ヨーロッパでは、当時のECが当該指令を制定して構成各国に自由化と規制緩和が促され、各国はその実現に努めてきた。特にドイツでは、3段階の措置を以ってそれに対処された。他方日本では、アメリカの事例を参照しつつ自由化と規制緩和の政策が採られた。その結果、20世紀中には、先進各国で情報通信の規制緩和がほぼ定着し、今日に至っている。この状況において、意図された自由化と規制緩和の成果が実際にどのように評価されうるのか、という点は、21世紀初頭の今日、今後の政策方針を見極める上で非常に重要な論点となる。そこで本研究では、この分野で申請者が従来注目してきた日独両国に関して、具体的な指標を用いて情報通信規制緩和の成果を検証し、可能な限り今後の政策方針に関する提言を試みる。 本年度は、「日独テレコム規制の展開と展望」と題して論文を執筆し、これまでの政策展開を総覧して分析視座を確定し、今後の政策展望について纏めた。これは、続く定量的分析のために必要な基盤作業であった。加えて、2004年10月に参照モデルの考案者であるD・エリックスマン氏を、ボンに訪問し、必要な基礎データの提供を受けた。これらを元に、日独比較に必要な基礎データの纏めと分析に移りたい。
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Research Products
(1 results)