2004 Fiscal Year Annual Research Report
メキシコとブラジルにおけるローカルな共有型分権化モデルの新たな実験
Project/Area Number |
16530093
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
松下 冽 立命館大学, 国際関係学部, 教授 (50229465)
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Keywords | 国家-社会リンケージ / 官僚制 / ゼローサム型権力観 / 社会資本 / 相互エンパワーメント / 社会の中の国家 / 公-私分割 / ポルト・アレグレ |
Research Abstract |
本年度は、研究課題に関する基礎的資料収集と理論的な分析枠組みを幅広く検討し、次年度の具体的分析の基盤を構築することに集中した。すなわち、第1に、単にメキシコとブラジルの2ヶ国にとどまらず途上国全般をサーベイしたこと、第2に、「ローカルな共有型分権化モデル」の前提となる国家と市民社会、および社会運動の相互関係を整理した。第3に、この相互関係の基軸となる「国家の変容」とグローバル化の多様なインパクトを考察した。 国家とその役割の変容の整理と分析は、本研究課題の前提となる分析である。 本年度の以上の研究は、下記の論文に具体的に反映されている。「発展途上国における国家の可能性再考(上)」は、サブタイトルから見られるように、「国家-開発-市民社会」というトライアッド関係からの新たなアプローチであり、同論文の次号では、メキシコとブラジルの事例研究が含まれている。なお、本年度国際関係学部に客員教授として来日された研究者(アルゼンチン人)との交流が今後の本研究に大きな財産となったことも付記しておきたい。 3月中旬(11日から20日)のブラジルのポルト・アレグレの現地調査で、資料収集やインタビューを通じて、次年度の研究発展の足がかりをつくれると確信している。さらに、4月からは、メキシコ人研究者が本学部に客員教授として来日する。本研究課題との関連性の強い専門性を有する教授なので、この点も次年度の研究を確かなものにできる積極要因である。
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Research Products
(2 results)