• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2004 Fiscal Year Annual Research Report

東欧・バルカンの民族問題と欧州安全保障体制に関する研究

Research Project

Project/Area Number 16530110
Research Category

Grant-in-Aid for Scientific Research (C)

Research InstitutionUniversity of Shizuoka

Principal Investigator

六鹿 茂夫  静岡県立大学, 国際関係学研究科, 教授 (10248817)

Keywords欧州近隣諸国政策(ENP) / 近い外国政策 / 西部新独立国家(WNIS) / EU拡大 / NATO拡大 / コンディショナリティー / 民主主義 / 少数民族
Research Abstract

本年度は、1)ルーマニアにおけるハンガリー少数民族問題の研究と、2)モルドヴァのトランスニストリア問題に及ぼすロシアの影響力、およびそれに対するEUおよびアメリカの戦略について、新たな成果を得た。
1.ルーマニアに在住するハンガリー人の思考様式が、1990年代はじめと現在とでは、かなり異なってきていることを発見した。少数民族の権利が以前に比べて大幅に承認されてきているにもかかわらず、また、EUが拡大し、ハンガリー人共同体が国家の壁を越えてシェンゲン協定の枠組みにおいて、自由に成長を遂げることができるにもかかわらず、自治の要求を強めている。それは、一つには、ボスニア紛争やコソヴォ紛争の影響が、ハンガリー共同体にも少なからぬ影響を及ぼしているためであろう。もう一つは、EU拡大は確かにコンディショナリティー効果をもたらしはしたが、地位法に代表されるように、EUは必ずしもナショナリズムの弱体化をもたらすものではないと言うことである。したがって、我々は、国家の壁を乗り越えて連邦制を主張するEUが、なぜナショナリズムの弱体化をもたらすことができないのかについて、さらに研究を深めていく必要がある。
2.ロシアのトランスニストリア問題に対する基本政策は、所謂コザック・メモランダムに余すところなく網羅されているように、モルドヴァの対ロシア従属化の恒久化である。これに対し、EUはENP政策を打ち出し、またアメリカは民主主義攻勢を掛けて、旧ソ連邦地域に迫っている。この二つの相反するヴェクトルの衝突こそ、グルジアのバラ革命であり、ウクライナのオレンジ革命であり、コザック・メモランダムをめぐる欧米対ロシアの凄まじい抗争であった。また、ロシアと米欧のWNISに対する政策の根本的な相違が、WNISの親欧米政策を生み出してきていることも、新たに発見できた。

  • Research Products

    (4 results)

All 2005 2004

All Journal Article (4 results)

  • [Journal Article] The Impact of EU Policy on its New Neighbours : The Case of the Republic of Moldova2005

    • Author(s)
      Shigeo Mutsushika
    • Journal Title

      Japan and Europe, Partners in Global Governance. (Takako Ueta & Remacle(eds.))(Pie-Peter Lang)

  • [Journal Article] モルドヴァの社会的格差2004

    • Author(s)
      六鹿茂夫
    • Journal Title

      『ロシア・東欧研究』ロシア・東欧学会年報 第32号

      Pages: 48-62

  • [Journal Article] 中東欧におけるウェストファリア体制の変容2004

    • Author(s)
      六鹿茂夫
    • Journal Title

      国際政治の行方-グローバル化とウェストファリア体制の変容(吉川・加藤編)(ナカニシヤ出版)

      Pages: 199-221

  • [Journal Article] 拡大後のEUが抱えるもう一つの難題-広域欧州における「欧州近隣諸国政策」vs「近い外国政策」2004

    • Author(s)
      六鹿茂夫
    • Journal Title

      外交フォーラム 7月号

      Pages: 68-75

URL: 

Published: 2006-07-12   Modified: 2016-04-21  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi