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2006 Fiscal Year Annual Research Report

金融政策論へのゲーム理論的アプローチ

Research Project

Project/Area Number 16530114
Research InstitutionYokohama National University

Principal Investigator

宇井 貴志  横浜国立大学, 経済学部, 教授 (60312815)

Keywordsショケ積分 / 非期待効用 / 合理的期待 / 相関均衡
Research Abstract

●梶井厚志氏と小島寛之氏との共同で,NEO加法的ショケ積分期待効用理論の研究を行った.Chateauneuf et al.(2006)によって導入されたNEO加法的ショケ積分期待効用理論は,不確実性に対する楽観的な態度と悲観的な態度が混在するような経済主体の意思決定モデルである.この理論により,通常の期待効用理論では説明できない金融現象を説明できるが,Chateauneuf et al.(2006)のモデルは,一期間の意思決定モデルなので,多期間の意思決定の問題である最適金融政策の議論などには適用できない.そこで本研究では,多期間も含めたさまざまな不確実性下の意思決定を扱えるようなNEO加法的ショケ積分期待効用理論を提案し,その公理的な特徴づけを行った.
●相関均衡が一意になる条件についての研究を行った.相関均衡は,ナッシュ均衡を一般化したもので,政策当局のようなコーディネーターが存在する場合の均衡概念である.まず,任意の相関均衡がナッシュ均衡の混合として表されるための十分条件を提示し,その結果を用いて,ゲームの利得勾配ベクトルが狭義単調で,戦略空間がコンパクトならば,一意な相関均衡が存在することを証明した.この結果は,狭義凹ポテンシャルゲームの相関均衡が一意になるというNeyman(1997)の結果の一般化になっている.
●マクロ線形モデルの合理的期待均衡の計算方法についての研究を行った.通常の分析では,期待値オペレーターは一種類であると仮定される.そして,その場合の合理的期待均衡の計算方法については,多くの結果が知られている.しかし,Aoki and Kimura(2006)のように,中央銀行と民間とで別々の期待値オペレーターをもつケースについて,合理的期待均衡を計算する方法は知られていない.本研究では,複数の異なる期待値オペレーターがあるマクロ線形モデルの合理的期待均衡の計算方法を提案した.
●私的情報を持つ複数のエージェントに対し,中央銀行が公的情報を伝達する場合,どのような情報伝達が望ましいかについての研究を行った.まず,問題を次のように定式化した.エージェントは,私的情報と公的情報から,分散を最小にする推定を行う.すべてのエージェントの推定値の算術平均の分散が小さいほど,情報伝達は望ましいと評価する.この設定において,ある条件の元では,おなじ情報量の情報を,細かく分割して伝達した方が,情報伝達として望ましいことを示した.

URL: 

Published: 2008-05-08   Modified: 2016-04-21  

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