2004 Fiscal Year Annual Research Report
情報通信インフラ(電波を含む)の競争的供給制度と現状からの移行方策の分析・設計
Project/Area Number |
16530129
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Research Institution | Osaka Gakuin University |
Principal Investigator |
鬼木 甫 大阪学院大学, 経済学部, 教授 (40107107)
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Keywords | 電波 / 分配 / 再分配 / 保険 / 補償 / 価格メカニズム / 割当 |
Research Abstract |
平成16年度においては、主たる研究対象を情報通信無線インフラ(電波)に置いた。研究代表者による従来の研究成果に基づき、これを展開・詳細化して「無線インフラの競争的供給のための制度と移行方策」を提案した。 (1)「電波再分配」システム--保険・補償付再分配(RIC)--(裏面第1項目): 本研究においては、これまで本研究者がその概略を提案してきたRICを経済モデルに定式化し、細部の問題点について分析をおこなった。RICはさまざまな電波「割当」方式と両立できるが、それぞれの場合で若干の調整が必要である。たとえば現行割当方式(電波使用料ゼロ、免許自動更新)と組み合わせる場合、電波「収用」時に代替電波blockを用意してこれを割当てる可能性があり、その内容・条件に応じて「補償金額」が変動する。この場合の「補償料」確定額を定めるためにどのような方式を採用(contingent contractを形成)すればよいかを考察した。さらに、電波の分配は国際的に整合させることが有利であるため、国際機関(ITU)における協議によって進められているが、利害の異なる多数の国の合意を必要とするため、再分配は困難であり、時間を要する。本研究では、RICを(一国内だけでなく)国際間の再分配に拡張・適用する可能性について分析した。 (2)電波政策の実状に関する調査(裏面第4項目): 本研究の参考とするため、日本、米国、英国、EUにおける電波資源の供給方式の検討内容について情報を収集し、資料を蓄積した。本研究者は、また、同検討を1980年代から先駆的におこなっている米国と比較した日本の「周波数政策」を詳細に分析・報告した
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Research Products
(4 results)
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[Journal Article] Spectrum Policy2004
Author(s)
Hajime, ONIKI
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Journal Title
Chapter 5 of Japanese Telecommunications Market and Policy in Transition, Routledge, U.K. (R.Taplin & Wakui eds.)
Pages: 1-44