2006 Fiscal Year Annual Research Report
事業リスク評価管理法の方法的基礎とその実践的活用方法
Project/Area Number |
16530139
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
刈屋 武昭 明治大学, 大学院グローバル・ビジネス研究科, 教授 (70092624)
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Keywords | 事業性評価モデル / バイオマスリサイクルの事業性 / 人事制度の評価モデル / 冬季気温のリスクスワップ / 分散変動モデル / モンテカルロシミュレーション / 確率概念の受容と需要 |
Research Abstract |
不確実性のもとでの事業価値評価の方法をいくつかのケースに応用した。 ひとつはリサイクル事業における事業性(リスク・リターン)モデルの定式化である。モデルはリサイクル事業への投資分析や、リサイクル施設の保有の仕方の意思決定モデルや、この領域の支援政策のあり方の評価モデルとして利用可能である。最初にモデルの対象となる不確実性の識別し、バイオマス資源排出企業の工場とリサイクル業者の施設との距離とその能力と、リサイクル業者のリサイクル製品の納入先との関係とに絡む不確実性のモデルを定式化した。その応用として、バイオマス資源の例としてビール粕のリサイクル問題を扱い、事業性の評価を公表データを利用して行った。特に需要変動の季節変動の影響として粕の季節変動に関して、施設のキャパシティとの関係で、リサイクル会社が契約できる最適量をモンテカルロシミュレーションで導出した。後半の部分に関してREシステムの藤田大輔氏に協力してもらったので共著にした。 別な応用として、日本的人事制度のもとでの従業員のパフォーマンス評価法の違いが、長期的にみて、どのように企業の年齢構成や事業性に影響するかをモンテカルロシミュレーションで評価するモデルを構築した。この問題は、以前から京都大学客員教授加藤康之氏らと企図して進めていたが、今回の事業リスク管理法の応用として一つの結果をまとめた。 3番目に、これまで行ってきたこの研究と同じ視点に基づく方法で、北海道ガスと三井住友海上との冬季の気温のリスクスワップのフェアネスを評価するモデルを構築し、公正な交換の可能性があるかどうかをシミュレーション最適化によってまとめた。宮城県立大学のティー助教授との共著である。 日本統計学会75周年特別講演のために、事業リスクマネジメントの進化の視点を、日本経済社会の確率概念の受容の歴史と統計学の関係から議論する論文をまとめた。
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