2004 Fiscal Year Annual Research Report
環太平洋地域における通貨統合・金融協力の展望と日本の役割
Project/Area Number |
16530153
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
後藤 純一 神戸大学, 経済経営研究所, 教授 (70234987)
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Keywords | 通貨統合 / 労働市場統合 / アジア / 環太平洋地域 |
Research Abstract |
本研究の目的は、環太平洋地域における金融統合・通貨統合の妥当性の有無を検証することである。そのため (第1段階)文献サーベイおよびデータの検討 (第2段階)内外の研究者・実務家との討議をしながらの予備的研究 (第3段階)金融・通貨統合のパターンと効果の理論的・実証的分析 (第4段階)研究成果のまとめ という4つの段階に分けた研究スケジュールに基づいて実施する。平成16年度には、このうち第1段階を完成させ、第2段階の研究をかなり進展させた。具体的には、まず第1に文献サーベイおよびデータの検討を行った。つまり、本テーマに関するこれまでの研究を文献サーベイして基本的方向性を定め、続いて環太平洋諸国および域外国の経済データを収集・検討したのである。さらに、第2段階の研究として、平成17年2月から3月にかけ、米国ワシントン特別区を訪れ、世界銀行や米州開発銀行の専門家と意見交換を行うとともにさまざまな情報収集を行った。 本年度は準備段階の研究であったが、それだけにとどまらず、"An Economic Analysis of Labor Market Integration in East Asia"という論文を公刊した。通貨統合・金融協力に関する理論として中心的なものである最適通貨圏の理論に照らせば、通貨統合・金融統合の前提条件の一つとして「域内労働市場の統合」が重要であることにかんがみ、アジア地域の労働市場の統合を理論的・実証的に分析したものである。
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Research Products
(1 results)