2005 Fiscal Year Annual Research Report
環太平洋地域における通貨統合・金融協力の展望と日本の役割
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16530153
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
後藤 純一 神戸大学, 経済経営研究所, 教授 (70234987)
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Keywords | 労働市場統合 / 金融統合 / 環太平洋地域 |
Research Abstract |
申請書に書いたように、本研究の目的は、環太平洋地域における金融統合・通貨統合の妥当性の有無を検証することである。そのため (第1段階)文献サーベイおよびデータの検討 (第2段階)内外の研究者・実務家との討議をしながらの予備的研究 (第3段階)金融・通貨統合のパターンと効果の理論的・実証的分析 (第4段階)研究成果のまとめ という4つの段階に分けた研究スケジュールに基づいて実施している。平成17年度には、このうち第2段階を完成させ、第3段階の研究をかなり進展させた。具体的には、環太平洋諸国および域外国の経済データを収集・検討するとともに、平成17年10月に渡米し、エール大学、世界銀行、米州開発銀行を訪問した。エール大学では従来からの共同研究者である浜田宏一教授と環太平洋地域における経済統合についての理論的・実証的分析に関する意見交換をおこなった。世界銀行では主として開発研究部のエコノミストと協議を行い、モノ・カネ・ヒトの国際移動は密接不可分なので、カネの移動についての協力(通貨統合・金融協力)を研究する際にはヒトの移動(外国人労働者問題、日系人出稼ぎ問題)の研究も重要であるということで意見が一致し、後者のテーマに関して協力していくことで意見が一致した。本年度の研究による成果として以下のようなことが明らかになった。 環太平洋地域の労働市場統合に関する理論的・実証的分析を行い、ヒトの移動よりもモノ・カネの移動のほうが労働輸入国・労働輸出国双方にとって有利である。 地域経済統合は第3国に対しマイナスの経済効果を与えることが多く、したがって、経済統合推進の際には残された国々への十分な配慮が必要である。
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Research Products
(1 results)