2004 Fiscal Year Annual Research Report
社会メタボリズム型エネルギー分析モデルの環境経済学への応用に関する研究
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16530155
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
眞弓 浩三 徳島大学, 総合科学部, 教授 (40253182)
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Keywords | 社会メタボリズム / 総合評価 / スケール / 持続可能性 / シナリオ分析 / クズネッツ曲線 / 経済のソフト化 / エネルギー分析モデル |
Research Abstract |
持続可能な社会を維持していくためには、エネルギーや資源の供給、環境容量などの種々の制約を多面的に表現できる総合的なモデル手法の開発が求められている。すなわち、経済活動と生態系の長期的安定関係を構築するためには、経済システムと生態系を構成する固有の時間スケールを持つ各部分システム間の相互関係を多層的に捕らえることが必要である。我々が開発したエネルギー分析モデル(社会メタボリズム型多階層総合分析モデル、Multi-Scale Integrated Analysis of Societal Metabolism, MSIASM)は、エコロジーと環境問題の関連でアレンやサルテなどの理論生態学者が提唱している「スケーリング」のアイデアを利用している。スケーリングとは異なるレベルにある階層間の相互依存関係を詳細に研究する過程で導入され、持続性を主題とするエコロジー経済学でも注目を集めつつある。さらにこのモデルはエネルギーの分配だけではなく、人間に与えられた時間の配分も考慮に入れている。このモデルを利用して、以下の問題(神話?)について考察を加えた。 (1)先進国の食生活はエネルギー摂取量の観点から、途上国より大量に摂取しているか? (2)環境経済学で最近利用されるようになった環境クズネッツ曲線の理論は正当であろうか? (3)ゼロエミッションや京都議定書の議論は維持されるか? これらの3つ神話について次の論文をヨーロッパエコロジー経済学会の国際会議(2005年6月、リスボン)で発表する(論文は正式に受理された): Using quantitative analyses to improve the quality of the narratives about sustainability : Multi-Scale Integrated Analysis of Societal Metabolism さらに、我々のモデルを利用して中国のエネルギー需給の問題と将来の世界的環境負荷の増加を論じた次の論文もリスボンでの会議で発表する:Addressing the implications of scales when analysing the evolution of economies using Multi-Scale Integrated Analysis of Societal Metabolism : the case of China
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