2004 Fiscal Year Annual Research Report
国際労働移動が産業間国内労働移動と世代別失業に与える影響の理論的分析
Project/Area Number |
16530156
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
藪内 繁己 名古屋市立大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (40264741)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
多和田 眞 名古屋大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (10137028)
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Keywords | 国際的要素移動 / 国内労働移動 / 失業 / 労働移動の不完全性 / 補助金政策 / ハリス・トダロモデル / 不法移民 / クラスター |
Research Abstract |
国内の労働移動が、何らかの理由で制限されている経済について、政策や国際的な資本移動が国内経済に及ぼす効果について、様々な角度から分析を行った。まず、国内にインフォーマル部門が存在する場合について、外国投資が国内の労働移動と失業および所得分配に及ぼす効果について分析を行った。ついで、国内の労働移動が、労働者の特定の産業への選好により不完全である場合に注目し、賃金補助金政策、生産要素の拡大、さらに労働移動の不完全性の程度の変化が失業や国民所得にどのような効果を及ぼすかについて考察した。一方、生産要素の異質性、とりわけ労働について熟練労働と非熟練労働の違いに注目し、資本を加えた2財3要素モデルを構築し、特定の産業への生産補助金や国際的要素移動(資本と労働)が国内の労働移動や失業に及ぼす効果について検討した。その結果、農業部門への補助金は非熟練労働の失業率を低下させるなどいくつかの興味深い結果が得られている。 2要素1財2国のハリス・トダロモデルにおいて、両国はそれぞれ所与の労働と資本を用いて財を生産する経済を考え,資本は国際間移動できる場合と出来ない場合について国際間労働移動の分析を行った。資本移動がある場合での分析では、一つの注目すべき結果として不法移民の取締り強化は不法移民を増加させるというパラドックシカルな結果が得られた。また、受入国の査察強化政策の代替案として、不法移民を雇用していた企業に課す罰金を引き上げることは経済厚生により望ましいことや、送出国の経済厚生にとっては最低賃金のレベルを上げることが望ましいことが明らかにされた。 国際的な労働移動の問題に加えて、日本国内の地域経済の分析も行った。特に東海地域の経済に焦点をあて、東海経済のクラスターの分析を行った。
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Research Products
(6 results)